みぞおちのあたりがずっとキュンキュンと痛かった。
もう何年も前になるけど、一時帰国の際、着陸15分前からずっと「落ちるよ~!!飛行機が落ちるよ~!!」と大声で叫んでいた日本人の子とそのご家族のことを思い出した。
多分その子も自閉症スペクトラムか何かだったのかな、着陸後、親御さんの顔が蒼白になっていて、日ごろの苦労がしのばれた。
あみ子ちゃんは普通学級にいるようだから、ADHDでも比較的軽いほうなのかな。ただ、真っすぐで外の出来事は目に入り、理解しているのに、自分の世界から出ていないから、人の気持ちが判らない。自閉症がもっと酷くなると、いきなり奇声を発したりするから、その手前あたりか。
カメラの視線が終始優しい。あみ子ちゃんの周りの人たちはみな優しい。お兄ちゃんも、後妻のお母さんもお父さんも。お兄ちゃんは間に入って禿げが出来ちゃったくらい、周囲に気を使ってたんだろうな。
言葉遣いを丁寧にするのは、心を整えるのにいいのかもしれない。
最後のほうで、あみ子ちゃんを見守っていた坊主の同級生の男子が出てくるけど、その子が優しくて泣いちゃった。あみ子ちゃんのことをしっかり理解してて、見守ってて、アドバイスもくれて。こういう子があみ子ちゃんの近くにいてくれて良かったと思った。