吉本ばななさんの原作を読んだのは遥か古の話…
高校生の時の読書感想文で、『サンクチュアリ』を読んだ頃、いくつか他の作品も読み漁った中でキッチンとムーンライトシャドウにも触れた。
原作を読んだ感触はほとんど覚えていないのだけど、吉本ばななさんの書く作品には、生きることの毒を知っている人だけが持つ、純粋な優しさが溢れているなと感じたのを本作を見て思い出した。
映像の綺麗さと統一された世界観の中で映像化されているので、監督さんの抱く原作愛と力量が垣間見えます。
こういう静の描写の中に感情の動がある作品には、観客の受け取り方というものもかなり評価を変えさせるところがあると思うので、好き嫌いがとても分かたれると思うのですが、僕はとても好きな作品でした。
天ぷらそばを食べるシーンとか、制服を洗うシーンとか。
自信しかないであろう親の背中を見て育った俳優さん2人による兄弟はちょっと存在感にインパクトありすぎて、そこはなんだか笑える。だがそれが良い。
小松菜奈ちゃんも、臼田さんも良かった。