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ナイブズ・アウト:グラス・オニオンのtomoのレビュー・感想・評価

3.8
豪邸での富豪の死と遺産を巡る謎というコテコテの前作から、孤島での殺人というこれまたコッテコテの設定に舞台を移しての次回作。
前作に比べれば推理ものとしての捻りは効いてないんだけど、登場人物のキャラクター設定のわかりやすさや終盤の派手な展開などエンターテイメントとしての面白さはこっちの方が満足度が高かった。
孤島とはいってもあくまでフェリーで2時間程度、携帯の電波も届くし警察も普通に来られるという無理のない設定にして、むしろ「陸と普通に連絡できる」ことを事件の一要素にしてるのが古典ミステリに敬意を払いつつの現代物としてなかなか気が利いている。
前作では「誰がなぜ探偵を呼んだのか?」というシンプルな疑問が最後の解決への重大なヒントになった。今回もまた同じ謎が存在するのだが、今作では中盤で明かされるその答えは、ストーリー上また映画の演出上前回とは全く違う意味を持ち、これまたなるほど考えたなという感じ。古典ミステリでは当然の前提のように探偵が事件に関わるが、警察機能が高度に発達した現代物では、探偵が事件に関わる事情そのものをストーリー上の重大要素にする手法が有効なのだと納得させられる。
前作と比較した感想ばかりになってしまったが、単発でも全く問題なく見られるし、前作の視聴者に対してマンネリに陥らない工夫をしているところを敢えて評価したい。
推理小説は好きだが映画はあまり見たことがなかったのだが、映画ならではのわかりやすさや豪華な画作りも含めなかなかいいものだな。
最後に、Youtuberデュークのお母さんが超いいキャラだったので、推理の助っ人的なサブキャラとしてレギュラー化したりしないかなあと期待して見てたんだけど、デューク自身がああいうことになったんで無理そうで残念笑。
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