60分程度の長さなので、取り立てて大きなストーリーがあると言うより、主人公にとっての切ない夏の数日を切り取って描く。
設定が70年代、さらに尾道の旧家をロケに使う事で、ノスタルジックな雰囲気が全面を覆い、夏の光と宵闇が見事に焼き付けられ、印象に残る作品になっている。
自主映画と言うことだが、俳優もしっかりしていてじっくりと楽しめた。
主演の須藤氏が監督も兼ねているが、演出も感覚的に訴えながらも静的なシーンが多く、まだ20代の方とは思えない出来。
監督も脚本家も見たことがないであろう70年代を背景にしているのが興味深い。