JohnNY

夢の涯てまでも  ディレクターズカット版のJohnNYのレビュー・感想・評価

3.9
3.9 A
ドラッグパーティから始まり、宇宙での仕事という人生を歩んだクレア、彼女を通してヴィムベンダースの表現したい世界観がある時は普通の映画ストーリーから始まり、俗っぽくなったり、現実的になったり、世界の多くの国に場所を変えて、そして終盤は抽象的になって行く。ストーリーもどうということもないし、SFはちゃちだし、一貫性は全く無視し、軸になるテーマもなく、ただ自分の世界観を描きたいようにやりたいように作ったという意味では世界に類を見ない作品と言える。楽しむ、感動するという本来の映画の役割はなく、彼のファンが彼の芸術性に付き合うという映画。惹きつけられるセリフも多くあるし、退屈で逃げ出したいところもたくさんある。それでも、忍耐と寛容で見れば、最後に満足感は残る。同じドイツの文学「ベルリンアレクサンダー広場」のデーブリンに似ている。この映画はヴィムベンダースの感性とその映像表現を見るというものだ。
JohnNY

JohnNY