Rodriguez

夢の涯てまでも  ディレクターズカット版のRodriguezのレビュー・感想・評価

4.0
2021年秋に『レトロスペクティブ』という企画でヴィム・ヴェンダーズ作品10作が最新マスターと幾つかのディレクターズカット版で限定上映されていて、喜んで前売り券セットを買い込んでたが入院や親族の不幸があって観に行けず。それらの作品群がU-NEXTで観れるというのでまずは個人的幻の名作『夢の涯てまでも』を。
字幕付きでDVD化していない事もあって、さて何年振りの鑑賞でしょうか。劇場公開1991年、その時でも2時間38分と長尺だったが、今回のは4時間48分。
もう長過ぎて長過ぎて未公開シーンが何処なのか、どうでも良くなります。
世界を駆け回るSFエッセンスの突っ込みどころ満載超絶ロードムービーだけど、物語の肝は後半3割のオーストラリアでの研究シーン。元々は博士夫人が盲目なので脳波に電子的な信号を送り、特殊なカメラで撮影した親族の映像を死ぬまでに見せてあげたいというものが、成し遂げた後は『自分の記憶・夢を映像化』という副産物に主人公らは取り憑かれ、現実感の喪失に悩んでしまうという破滅的な流れに。
望んで観たこの作品だけど、当時のPOPアーティスト(U2やらデビッドバーンやら)の挿入歌が邪魔しまくりという印象でした。
まあそれを差し引いても意義のある一本です。
名優たち(マックスフォンシドーやジャンヌモロー、ウィリアムハート、そして笠 智衆)もGOOD。
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