このレビューはネタバレを含みます
多くの映画、主に男性中心社会で作られてきた大作ハリウッド映画には、この映画の持つ「真実」へのまなざしが欠けている。
劇中の会話で、「真実」という言葉はキーワードとして扱われており、この映画における真実とは、多くの人間が目を背けたくなる物事を指す。
仕事には向き合い、妻を愛せない夫や、酒に溺れて周囲の関係性を壊す男。
物語内でマリが経験した真実は、夢を語る映画では隠蔽されるべき内容であるが、この映画の観客は、マリとユリの経験、そしてユリの娘のジュジのまなざしを体験できる。その点において極めて重要な作品だと思う。