あまり期待してなかったのだけど、良かった。
今は、スマホですぐに連絡できて、どこにいるのか容易に分かるし、友達が髪を切ったことをSNSで知ったりもする。
でも、スマホや携帯のなかった時代には、人との繋がりは偶然に頼るところが大きかった。
自宅電話に留守録機能もなかったし、待ちあわせで失敗して会えないことも度々あった。
そういう部分では、人と繋がるのが便利な時代になったのだけど、繋がり方も変化したように思う。
連絡がない時間が続くと、もう一度繋がるのが難しいのは今も昔も同じだけど、そのスピードが早いというか。
スマホでメッセージを送るのと、便箋を選びインクを選んで、時間をかけて手紙を書く行為は似てるけど違う。
どんどん人と繋がって、どんどん離れていく、それが加速している今だから、この作品で描かれている「似てるけど違う」繋がりが染みた。
大きな事件も起こらず、スローペースで進む作品なのだけど、細部までとても丁寧に作られているのと、作品のスローさに、毎日の「時間」がどれだけ慌ただしいものかを見せてくれる効果があったと思う。
カン・ハヌルとカン・ソラは、「ミセン」もよい相性だったけど、本作も良かったです。カン・ハヌルのいつものオーバーな感じがなく、控えめなのがとても良かった。
「恋愛体質」も素敵だったチョン・ウヒも、飾り気のない演技が良かったです。
