自らの過去の経験から保護司をしながらアルバイト生活をする女性が、新たに担当した元殺人犯の男性の更生にひたむきな善意のみで尽くそうとする（個人的にはホラーな）ドラマ。
しつこいフラッシュバック、演出過剰な劇伴、引き伸ばされた展開と全体的にあまり出来がよろしくない。
特に保護司の活動が、保護司としての給与もなく、コンビニのアルバイトで生活する、特段専門的な知識もない若者が、ほぼ組織的な支援もないまま、個人的な善意だけで行われているもののように描かれているため、ものすごく危ういものに見えてとても怖かった。
問題が起こった時に、あんな風に独断で判断して行動していてはかえって問題を起こしてしまうのでは。実際には保護司や近い領域の他の専門職との連携もあるのではないか。そういう場面があるとリアリティも増して良いのになと思った。
物語的には、主人公がとにかく大人しくて真面目で従順な感じの中学生だったというに、今や自転車を全力で漕ぎながら大声で叫んだり、被保護者を全力でビンタしたりする強者になっていて、いったい何があったんだろうと困惑した（再会した友人には受身だったが）。
あとどうでもいいけど、これまで見た映画のなかで最も大量の鼻水が、これでもかと言わんばかりに描写されるので思わず笑ってしまった。ようやく垂れたしもう終わりだろうと思ったら、さらに追加であんなに出てくるなんて。
