TsugumiAkimitsu

前科者のTsugumiAkimitsuのレビュー・感想・評価

前科者(2022年製作の映画)
4.0
「これ以上、被害者も加害者も出したくない」
この長編を帰結させるための連続ドラマだったような・・と腑に落ちる構成。

終始、緊迫感のある空気だが、時折見せる佳代子のあたたかい眼差しや優しい言葉、みどりの明るい声と他愛無いやりとりで救われる。
特にみどりが登場してくれることで、現在、佳代子が立ち向かっている、どん底にいる元受刑者もいつかは道を開くことができる、と希望を持つことができる。

殺人者は人間じゃない。
幼少期の虐待によるトラウマがそうさせた、つまり子どもに対する周囲の大人の罪が生み出してしまったモンスター、殺された者とその遺族が被害者であり、それらがまた加害者となっていく。

負の連鎖を断ち切るために、目の前の元受刑者に真っ向から向き合う佳代子。凄い。
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