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OSLO / オスロのJIZEのレビュー・感想・評価

OSLO / オスロ(2021年製作の映画)
3.0
1993年イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)の両代表が初めて和平交渉に合意した"オスロ合意"までの知られざる実話が描かれる。巨匠スピルバーグが製作総指揮に名を連ねてる経緯から興味本位に鑑賞。和平交渉の裏側の会合が、淡々と格式高い空間のなかで積み重ねられる。つねに"人対人"が対峙する。また"合意"がゴールにあると把握してても、一喜一憂できない緊張感がどのシーンにも小刻みに健在する。映画の第一印象は、ひたすら話し合いが行われ、それらのやりとりから人間性が露わとなるような会話劇で、人間の本質を突いてるような難解さと明晰さがある。主演のアンドリュー・スコットの博識めいた雰囲気は、ホームズのモリアーティ教授の役柄をどことなく意識させるような感じがある。豪勢な建造物や高価な美術品など、空間のとりかたも贅沢に溢れていた。
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