Ohana

ディア・エヴァン・ハンセンのOhanaのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

人々の記憶から忘れ去られた時、人は本当に死ぬってよく言うけれど、じゃあ生きているのに人々の記憶にいない場合はどうなるんだろう。

死んだことによって人々の記憶に残ってしまったコナーの「生きていた記憶」をかき集めていたエヴァンの行動は、ただ単に嘘をついた贖罪をしていたというよりも、エヴァン自身の自立と決別を描写しているように感じた。
匿名から著名、著名から軽蔑対象になってしまった彼は、自身と近かった死という存在をコナーによって改めて自覚し、Dear Conorとして宛てて、Dear Evan Hansenとして受け取ったやりとりを自分が欲しかった言葉として飲み込むために彼の生きていた記憶を辿っていたのだと思う。

時折重なって描写されていたエヴァンとコナーは実は一番近い存在だということも最後に明かされるようになっている。

生きている間に人々の記憶にないことなんてないんだよとエヴァンが証明してくれるラスト。
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