かつては王政に楯突いた者達の流刑の地として世界に悪名を轟かせたシベリアも、革命50年を経て一大開発地へと発展を遂げ日に日に進化を続けている、とその実情に迫った紀行映画的ドキュメンタリー。革命の種火が育まれた土地は天然資源に恵まれ国を潤し、新たな街には新たな人々が住み着き新たな生活が育まれていく。ヨーロッパとアジアの両側面を持つ広大なシベリア、スラブ的な暮らしとモンゴロイド的な暮らしとの対比が面白い。冷戦真っ只中の50年目の記念すべき革命記念日に仰々しく行われる軍事パレードの圧が強い。明日からの大寒波に備えなんとか心づもりをとの気持ちで観たが、零下30度やらなんなら60度やらでなんの参考にもならなかった。「金属に触れると酷い凍傷になります」、冬に鉄棒触ると皮膚くっつく的なやつか（違うと思う）。

国立映画アーカイヴスで。