2019年の逃亡犯条例改定案をきっかけに、香港の民主的な自治を守ろうと香港理工大学に籠城する学生たちと彼らを包囲する警官たちを撮ったドキュメンタリー。
学生たちも警官隊もマスクやモザイクで顔を隠された匿名の集団。
ただ対照的でもあって、警官隊は武装と言って良いほど厳重な装備で、学生たちは催涙弾等の攻撃を防ぐために雨傘しか持たない。
そして警官隊は民主主義的な意思決定を建前としながらそれとは正反対である体制に従い、学生たちは本当の民主主義を求める。
さらに終盤、警官隊は匿名のままで、疲弊した学生たちの数人は顔や名前をさらけ出していく。
匿名の製作者たちの監督としてのクレジットは、英語ではHong Kong Documentary Filmmakers。
人々の政治参加を要求する内容の作品が、否応のない状況で集団制作という形式によって作られたことが興味深かった。
