ジャンリュック

ジャズ・ロフトのジャンリュックのレビュー・感想・評価

ジャズ・ロフト(2015年製作の映画)
4.5
この映画の公式サイトに、敬愛する渡辺貞夫さん🎷のコメントが載っている。

“こういう時代が確かにあったことを、ユージーン・スミスは残してくれた。
いつも何処かからジャムセッションが聞こえる街の熱気、ざわめき、煙草の煙、躍動感と気怠さが焼きつけられた写真の数々に懐かしさを憶える。
その歴史の中に僕もいた。”

あったんですね、こういう時代が。
ただ、そんなジャムセッションの場を提供する一人、写真家ユージーン・スミスが録音マニアだったがために、そのセッションの音や会話が残され、60年後の僕たちが耳にしているなんて──

なんという奇跡。


またその貴重な音源に加えて、スミスが撮った美しいモノクロの写真もあって、当時のNYの街並みや、その場の雰囲気が濃厚に伝わってくる。

なにか、そこで奏でられる音もスタジオ録音よりなんとなくリラックスして、自由な音(‥のような気がする。聴き分ける耳は持ってない😔)。

なにより、スミスの撮った写真が壁に無造作にペタペタ貼ってあって、レコードが2万5千枚もあって、当代のミュージシャンたちが集まって勝手にセッションしてるなんて、夢のような場所。

そういう場所に一瞬身を置いたような、時空と場所を移動したような不思議な感覚が味わえる、最高の一本。