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ジャズ・ロフトののんchanのレビュー・感想・評価

ジャズ・ロフト(2015年製作の映画)
4.2
『MINAMATA』で知ったアメリカの写真家ユージン・スミス。

1957年にスミスは住んでいた邸宅に家族を残し、マンハッタンの雑居ビル"ロフト"に住み始めた。
そこは人が住むには違法で、事務所として見せかけて暮らしていたが、窓から道行く人たちを撮り続けていた。
そこにはミュージシャンたちが集まって来て恰好のセッションの場と化していった。その素晴らしさに触発され、演奏している姿を写し、その音源を密かに録音していた貴重なテープを基に、関係者のインタビューで繋いでいる。

のちの巨匠と呼ばれる人たちも出入りしていた。若き才能ある人たちが研鑽していたのだった。
音楽家だけでなく、俳優、作家、画家なども訪れた。サルバドール・ダリの姿も。
そして、ジャズ界屈指のピアニスト、当時は絶頂期にあったセロニアス・モンクもやって来て大作を作るため3週間に渡ってリハーサルをしているのだった。

スミスの息子が父親を語っている言葉が印象深かった。芸術家として全身全霊を掛けていた姿、父親としての過ごし方、スミスの葛藤や人間性を知ることが出来る貴重な作品でした。
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