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渇きと偽りのbluemercenaryのレビュー・感想・評価

渇きと偽り(2020年製作の映画)
4.0
自殺した旧友ルークの葬儀に参列するため、20年ぶりに帰郷した連邦警察官のアーロン・フォーク(エリック・バナ)。
命を断つ前に妻と子供を殺したとされるルークの行動を調べるフォークは、数十年前に起きた当時17歳の少女エリー・ディーコンの死亡事件との関連を疑う。
フォークは、亡きルークに掛けられた妻子殺しの疑惑と、自身の過去と絡むうえに未解決のままであったエリー死亡の真相を追う。

警察官フォークの元に故郷から届いた知らせ ―― 親友ルークの死。
遠い昔に捨てた筈の故郷でフォークを待っていたもの ―― 再会と邂逅と拒絶。
ルークに掛けられた家族殺害の疑惑を解明すべく町に留まったものの、必然的に忘れたくとも忘れられないフォーク自身の過去と対峙する事になる。


豪州発のサスペンスは、物語の湿度がヤバかった。
空前の旱魃で干上がった町と住民。
何かに渇望していた住民にとって、過去の事件の当事者フォークは格好のネタ。
過去と正視せざる得ないフォークだけど、これは避けて通れない必然の案件だったと思う。

真実を追う過程で浮かび上がる人物、そして過去の真相。
二つの事件の交叉の妙、狙いすましたミスリードに乗っかってしまった先の展開が見事すぎ。
エンディングのその先、過去と邂逅したフォークはこの町に戻ってくるのか、否か。
忘却、決別、贖罪、・・・・ 歳月を要するね。
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