ぷりん

パンケーキを毒見するのぷりんのレビュー・感想・評価

パンケーキを毒見する(2021年製作の映画)
3.3
うーん、期待が大きすぎただけにガッカリ。「こんな日本に誰がした?」という謳い文句だったけれど、この映画的には「無関心な国民」って言いたいのかな。ほんとにそれで片付けて良いの?

左派をバカにするつもりはないしリスペクトしているつもりだけれど、失礼ながらザ左翼っていう演出でちょっと引いてしまった。
上西さんも江田さんも古賀さんもみんないいインタビューなのにその演出がもったいなかったんだよなぁ。
あのアニメのシーンいるかな?正直滑ってるというか酷かったように見える。舌を切り落とすのはグロいし、子どもを注意する先生が女性っていうのもステレオタイプって感じがしてジェンダー的に気になった。

古舘さんっていう素敵なナレーションがいるのに途中、女性の声にする必要あった?
博打の演出もリベラルおじさん特有のジェンダー感(伝われ〜)があって、言葉を選ばずに言わずにいうと気持ち悪かった…。

映画でも紹介されるくらい残念な政権なのに、リベラルがそんな感覚だから国民がこの政権で良いって思うんだよって言いたくなった。

学生団体の切り取りも同じ若者世代として少し気になった。映画に都合よく切り取ってない?

村上さんとか石破さんのインタビューも何であんなに暗いんだろう。演出?
ガネーシャの会の若手議員たちや元秘書、市議や県議会議員、菅さんをよく知るマスコミや評論家、ホテル、スイーツ店に軒並み取材を拒否されたってところから映画が始まるけど、与党内野党みたいな政治家だけじゃなくて菅さん側近の話聞いて見たかったなあ。誰による誰のための誰に向けた映画なのかっていうのが疑問符だった。


それからマスコミに向けた批判について。
ここ8年くらいマスコミ批判が顕著だし、この映画でも大手マスコミに対する批判が向けられていたけど論点は二つあると思っていて、1つは活字メディアとテレビとネットメディアを一括りにしてはいけないということ。放送法が適用されるテレビとされない新聞では役割そのものも違うのではないかなあと。
2つ目は、政府がまともに質問に答えないし批判をかわすからこそ、それを報じるメディアを叩くことで満足してる市民が多いのではないかな。その本質を失わないで欲しい。鮫島さんが指摘していたようにパンケーキ懇親会に参加していても、日頃から忖度のない報道をしていればなにも問題ないと思う。

ここまで散々な書き方をしてきたけど、日本にもこうやって社会を風刺できる文化の兆しが現れたのは良いことだと思う。
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