FML

グリンチのFMLのレビュー・感想・評価

グリンチ(2000年製作の映画)
5.0
燃えろ、愛の炎

グリンチ、なかなか詩人の才能あるんちゃうか?
風貌をいじられてからかわれて、
人の目を避けて山の頂上の城で暮らすようになったグリンチ
クリスマスの悪い思い出がトラウマで、クリスマスなんて大嫌い!になってしまった。。

わかる、わかるけど、わずか8歳で一人きりで暮らす決断をして、
あんな険しい山を登ってそこから大人になるまでひとりで生活するなんて
ものすごい行動力と根性

クリスマスの無条件の楽しさとか幸せとか
でもその裏で、ひとりきりで悶々と過ごすやつがおったり、
本当の幸せの意味をちゃんと理解してるやつがおったり、
ただ笑ってハッピー!な映画なんかじゃない。

グリンチの家でひとりきりでする行動が実は結構、てかかなり切なくて。。
天井に向かって大声で叫んでその跳ね返ってきた声と会話して、
自己嫌悪、自己否定、そこからくるひねくれ、妬み、湧いてくる怒りを自分やものにぶつけて、
街から聞こえてくる幸せそうな声をかき消すためにわざとうるさい音を立てる
コメディ調に描いてるけど、このグリンチに共感を覚える人も多いはず

けどグリンチ、ずっとひとりで暮らしてるわりにはあまりにもコメディアンの才能がありすぎる
言葉選びのセンス、動き、そして声量
江頭2:50とジムキャリー(実際演じてるけど)を合わせたような
ハイテンションなハッチャケぶりに、何回も声出して笑った

シンディの純粋無垢な笑顔と心にも癒されたし、
グリンチも本当の幸せの意味について気づき始める

見た目も、金も、プレゼントも大事やけど、
ほんまに大事なのは。

『クリスマスさんどこにいるの?
私にはあなたが見えないの
私の世界が変わって
私も変わってゆく
そしてクリスマスも──
私のことを覚えてる?
いつもあなたを待ちわびてた子を』
FML

FML