ゆうゆ

裁かるゝジャンヌのゆうゆのレビュー・感想・評価

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)
4.3

自由を奪われ 蔑みと憎しみと奇異な目に晒
され ひたすらに小さく震えながら天を仰ぎ
大粒の涙を零すジャンヌ。その佇まいに フ
ランスの自由と平和と愛の未来を背負った
若きカリスマは影を潜め なりゆきに恐怖を
抱き いたたまれない境地に怯える儚い乙女
の憂いだけが漂っているようだった。
まるでありのままの史実がフィルムに残さ
れてるかのような迫力に満ちた異様な光
景。一人心細く萎れていく女性対 彼女を意
地悪に追い込む大勢のおやじの構図。極刑
を免れる道を用意されながらも 神への揺る
ぎない信仰心を貫き迎える残酷で悲痛な結
末、それはまるで気高い花が無惨に花弁を
ちぎられ踏み潰されていくようで辛く苦しい。
悲しみと憐れみの涙に包まれ朽ちていく姿
に 赤黒い炎と天に召され浮遊する魂を見た
気がした
ゆうゆ

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