裁かるるジャンヌの作品情報・感想・評価

「裁かるるジャンヌ」に投稿された感想・評価

過去鑑賞。

ジャンヌ・ダルクが異端として尋問裁判を受け、やがて火刑に処されるまでを描いた衝撃的な作品。1928年という時代に、これだけ真に迫った、そして感情表現の極みとも言えるクローズアップ技法の連続をしていたというのが、映画史的にもとにかく画期的...!
裁判官らがジャンヌを見下ろし、ジャンヌはそれを見上げるという構図然り、ラストの火刑シーンの上からのアングル然り、ただクローズアップするだけでなくアングルまで細かく意識されているので、より人物の心情が垣間見えて圧巻。ジャンヌ役のルイーズ・ルネ・ファルコッティの切ない眼差しも、とてもサイレントとは思えない臨場感を醸し出しています。髪もわざわざ剃ったんだろうなぁ、その女優魂に脱帽。

しかし、同じような場面が音なしでひたすら続くので、退屈に感じてしまう場面もあったのは確か...!内容もお察しの通りめちゃめちゃ重いので、眠くない時に気合い入れて観なくてはですね。
サイレント映画の到達点と言われる伝説的映画。ずっと見たかった作品。シーンのほとんどを占めるジャンヌの表情と火あぶりのシーンの迫力が物凄かったです。話自体は退屈ですが、映像に引き込まれます。
riko

rikoの感想・評価

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たぶん5回目の鑑賞 偉大な作品
クローズアップの連続で、画面が窮屈に感じる点は『裁判長』に近い
だけどその窮屈さとジャンヌダルクの物語が合っていて相乗効果? シンプルで力強い
is

isの感想・評価

4.2
ジャンヌ・ダルクも19歳のひとりの少女だった

すべて物語ってゆくジャンヌの表情がはなれない
足元からのぼってくる感情はないまぜだけど静か
TSUBASA

TSUBASAの感想・評価

3.6
【処される英雄】77点
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監督:カール・テオドア・ドライヤー
製作国:フランス
ジャンル:歴史
収録時間:96分
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全編ほとんどが人物の顔のクローズアップという異色作。実際に発見された史料を元に、ドライヤー監督が製作したジャンヌダルクの異端尋問劇です。ジャンヌダルクが裁かれ、最後に火あぶりの刑になるまでの過程を淡々と描いています。どうやら、いくつものバージョンがある模様で、フルバージョンを見たことがある昔の人は少ないようです。賛否はまちまちですが、今もなお映画史に名を残している作品です。バージョンによって音楽が違うようです。僕の見たバージョンは、なんというか気が狂ってしまうほど同じ曲調のものでして、それ以外にも賛美歌のような眠たくなってしまう曲調もあるようです。

クローズアップにより、人々の表情が鮮明に映し出されます。特にジャンヌダルク役を演じるルネ・ファルコナッティの表情が力強かったです。権力に対して抗う表情、全てを悟ったような悲しい表情。背景など無用でして、彼女の表情がその全てを物語っていました。また、異端尋問をする裁判官たちの表情もユニーク。彼女に怒鳴りつけるシーンなども、巧くモンタージュを駆使しています。距離感は掴めませんが、間違いなくその視線の先に対象がいるのだということを確信出来ます。

ジャンヌダルクはイギリスとフランスによる百年戦争で活躍した人物です。勝利を収めたのですが、イギリス側に捕らえられ、辛くも火あぶりの刑に処されてしまいます。彼女の死後、彼女の無実や殉教が認められ、現在聖人とされています。しかし、今作は彼女の聖人ぶりを描いているわけでなく、ひとりの裁かれる女性として描いているのが特徴です。火あぶりの刑が恐ろしくて神を裏切るという人間の弱い部分を見せたりします。世に名を残している伝説の英雄というのもやはり人の子。後世において美談として語られることが多いですが、それはミスリードである場合が多いようです。

恐らくかなり退屈な映画になるかもしれません。何故ならサイレントですし、顔のクローズアップばかりですから。しかし、いよいよ火あぶりに処されるとなったシーンからは不思議と釘付けになります。当時の民衆も、そういう興味本位で彼女の死に際を目の当たりにしたのでしょう。彼女を纏う残火が未だに脳裏に焼き付いています。
ジャンヌの程良いブス感は兎も角、人の顔をここまで綺麗に写し取る変態っぷりは画家のようだ
なお

なおの感想・評価

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ジャンヌダルクという、少女の映画


これだから映画みるのやめられやいよね、、
天下の紀伊國屋版DVDでなく、大学にある淀川長治の解説付き名画100撰DVDで観たためか、めちゃくちゃ画質悪いし、劇伴曲が最低だったのが残念。

言うに及ばず、ただひたすらにクローズアップが続く映画として知られるが、本当にここまでくると正直狭苦しいし、しんどい。

にもかかわらず観ていられるのは、なぜか。
もちろん、出てくる人物たちの端正な顔立ちや大きな鼻、とりわけ、ファルコネッティのアへ顔寸前に見開かれた目などによるところは大きいだろう。

だが、それに加えて、もしかしたら台詞をはじめとした「音」の要素がないことも大きいのではあるまいか?
現代映画においては台詞や音楽、環境音などの「音」が編集におけるカッティングに影響を与えているが、ここではそれが全くない。そのため、ひたすらに顔が持つインパクトを生かすことに徹することができ、結果、攻撃性や悲劇性を生み出しているように思われるのだ。

イマジナリーラインを全く無視したような切り返しの連続や見切れてしまっている顔のクローズアップなど、奔放すぎるフレーミングには目を見張るものがある(ただし、これらが狙ってやっているものなのかはよくわからない。そもそも、この時代にイマジナリーラインという感覚はあったのか?)。また、時折現れる滑らかな横移動のショットが残酷さを際立たせている。
ILLminoru

ILLminoruの感想・評価

4.8
至高の強烈な映画体験。恐るべき映画。

デンマークの巨匠カール・テオドア・ドライヤー監督の映画史に燦然と輝く伝説の作品。

ジャンヌ・ダルク(※英雄としてではなく、一人の人間、19歳の普通の女性として描いています。)の異端審問裁判の様子(実際の裁判記録に基づいた裁判の再現)とその後の火刑までを描いた、"宗教"映画の金字塔、そして"暴力"映画の傑作。

信仰、恐怖、哀しみ、人の醜悪、絶望、暴力、感動、怒りを素晴らしい演出、カット割、編集、実験的ながら美しい構図、クローズアップと仰角撮影を使用して、見事に描いています。
"顔"映画の最高峰。

サイレント期にこれほどまで"映画"の芸術表現が完成してるとは驚嘆でした。

1928年の映画にこれ程震えるような体験が出来るとは。素晴らしい。

審問官が部屋の十字の影を踏み消してジャンヌに偽りの手紙をあたえるシーンは鳥肌モノの演出。

"死ぬまでに必ず鑑賞すべき映画"です。
1984年4月24日、高田馬場ACTミニシアターで鑑賞。(2本立て、1000円)

オルレアンの神のような娘=ジャンヌを描いた物語であるが、この作品の特筆すべきはその映像表現である。ジャンヌの顔のアップによる処刑場面は、スクリーンにジャンヌの心の叫びが映されているように感じた。
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