裁かるるジャンヌの作品情報・感想・評価

「裁かるるジャンヌ」に投稿された感想・評価

『戦艦ポチョムキン』のオデッサの階段然り、モンタージュの行き着く先は暴力の発露なんだろうか?無声映画なのに異端審問での問答が中心、異端審問なのに場の全体像はスクリーンから排除され、中心を僅かにずれた顔のクロースアップと滑らかなパンの激しいモンタージュの嵐。

これで作品が成立してる、ってのも凄いし、こういう作品を観ると、トーキー黎明期に映画知識人(?)が、映画に声をつけるなんて堕落だ!とまくしたてたのも分からなくはないかな。
初ドライヤー。渋谷TSUTAYAにある唯一のDVDをレンタルして、無音でいざ鑑賞。

クローズアップの極北に有るような映画。ジャンヌダルクの宗教裁判ということで知識が必要になるかと思いきやサイレント映画ということでその類の会話は省略される(そもそもジャンヌ自身の教義に対する知識というものも母からの口伝い程度と思われるし、彼女の不安や混乱をテーマとする本作ならば我々も彼女同様、流れに翻弄されて観るべきと思う。更に、字幕の英語のレベルからも想定されるよう、当時ではこんな題材の作品でさえも普通の一般大衆から娯楽の一種として受容されていたのだから小難しく捉えるのは色々と間違いじゃないかと)ので安心して映像を楽しめたし、結末は分かってると言えど全編クライマックスみたいなやりとりに終始惹きつけられっぱなしだったから驚いた。あの天に昇る煙は間違いなく崇高な意思を湛えていたと信じてる。

表情にフューチャーし続けることで、宗教に関係なく、全人類に対して客観的に白黒つけようがない人間の主観的な情念の存在を叩きつけるだけでなく、人間が完全な客観として存在できぬという世の中の抗うことができない事実を改めて思い知らす事の出来る究極の作品であることは間違いない。
イトウ

イトウの感想・評価

4.0
自分の顔をローアングル、クローズアップでとってみたら2秒で嗚咽でた。だからこの映画はすごいと思います。トンスラ姿のアルトー可愛い
ジャンヌの顔のクローズアップにて彼女の感情をひたすら読みとかないといけない。窓の格子の影に十字架を見出すシーンと乱闘シーンがすきやったな。
週末の夜は疲労の極致であり、仕事を抜け出して観に行ったものの前の席に座っていた映画知り合いに寝息を聞かれていた様だが、実際には半分眠りながらも半分薄目を開けており、この作品が何故傑作であるかという事も真にしっかり理解し味わっていた事を主張しておかなければならない。
敢えて細かな内容についての言及は控えておくが、、、
裁判関係者の意地悪い様にムカつき、今の我が国にもこんな奴がよーけおるぞとか思ってイラッとしたが、冷静になってみるとなんぼなんでもジャンヌ・ダルク裁判って今から500年以上前であろうし、さすがにいちいちムキになってもしゃあないのかも知れぬ。
Ryosuke

Ryosukeの感想・評価

4.0
顔面のクローズアップの連続が異様な迫力を出している。 角度の変更やズーム、移動撮影、パンを駆使して変化を出しながら、滑らかかつ禍々しくショットが差し込まれるので単調にならない。
カメラはジャンヌの視点となり、その動きにより彼女の動揺を示す。
まあ正直集中力は時折切れるのだが。
ジャンヌの証言が崩れるのを期待し、唾を飛ばして激昂する異端審問官の醜悪な表情が印象的。 肌の質感までこちらに伝わってくる。
仰角により威圧感を出し、ショット内で下にジャンヌを置くことで被支配を表現する。
十字型の影(十字架、救いを想起させる)を異端審問官の影が覆い隠すことにより、優しく話しかける司祭の本性を表していると思われる演出は見事。 茨の冠の使い方も上手い。
片足立ちの曲芸師と十字架のイメージを繋げるのも面白い。瀉血の描写も神聖なイメージを持っている。
怒り狂う異端審問間と拷問器具の上を滑って行く映像、ジャンヌの顔のモンタージュは強烈。
ラスト、ジャンヌが火刑に処されるシーンで差し込まれる、真っ白な空を飛ぶ鳥の群れは彼女が自由になることを表しているのだろうか。
リサ

リサの感想・評価

3.5
感情をピアノと顔のシワとかで観るのが面白かった。
途中で飽きて、人の気持ちをアフレコするのが面白かった。
映画に慣れてたらもっと楽しめる気がする。
いしが

いしがの感想・評価

1.5
殆ど顔のカットだけでも映画は作れることがわかった。
キリスト教の知識がないとわかり辛い。
時番人

時番人の感想・評価

4.9
ジャンヌ・ダルク映画の中で一番好きな作品。

処刑シーンのリアルさが他のジャンヌ・ダルクものの中でも群をぬいている。演技という面でも、のりうつったのではないかと思わせる名演技。サイレント映画としても傑作!
Uknow

Uknowの感想・評価

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ここにあるは一人のおとめ
神の導きによって仏国を救った少女
神の名の下に求道者たちは彼女を如何とする

_
・目力凄まじい
・白黒でバストアップの撮り方だと、シワで陰影のある老人たちは映えるなあ
・魂の救済
・ヒメアノ〜ルのムロツヨシみたいなおじさんいる👿

 迫害受けて殉教者になっている人がいる歴史を考えると、そもそもキリストも贖罪とかいって磔にされているし、神様って嗜虐趣味でもあるんだべか……


まぶたの裏に映るは神の光
現世のままならぬ理不尽に清らかな涙が溢れる
神の言葉は誰にも等しく伝わるが、現し身の齟齬は削がれない
眠たげにゆっくりと落とされる目蓋に隠された瞳は
この世ではないどこか遠くに届く
魂の救済唯只管に求めるはそれのみ
安穏とした醜く肥えた聖職者たちの紛糾

滂沱と流れる涙は頬を濡らす
呆然、悄然
神に導かれ神の使いに見放され

窓枠の十字架は聖職者の陰に消え、
踏まれてしまう

神の作った国で
神が作った人間たちの
神を信じるものたちの間に命は消えゆく

世の人の悲劇好きは如何ともしがたい
尊き犠牲、その一言で
苦しみ、悲しみ、あらゆる全てが
美しく彩られ飾られてしまう

_
裸だったのか?
天使のお召し物を神がお与えにならなかったと?
長い髪であったか?
何故お切りになる必要があると思ったのです?

では 大勝利は?
私の殉教により
魂の救いは?
私の死により!
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