ゆうゆさんの映画レビュー・感想・評価

ゆうゆ

ゆうゆ

ヒューマニスト・ヴァンパイア・シーキング・コンセンティング・スーサイダル・パーソン(2023年製作の映画)

4.3


殺したくない吸血鬼少女と死にたい彼のボーイミーツガール
パッツン前髪にきっぱりゲジ眉。ぐるぐる回る🌀のクッキー、エナジードリンクみたいにちゅーっと飲む血液バッグ、家族はまるでアダムスファミリー(アダ
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男女残酷物語/サソリ決戦(1969年製作の映画)

4.4


"こんなの、はじめて。"

女性への偏見や性的異常を抱える男と囚われた女。 ハイテク装備満載の秘密のアジトで 想像を絶する(笑)肉体的、精神的凌辱の限りを尽くすも相手は怯まず、ふたりの関係性は甘く艶
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世界のはしっこ、ちいさな教室(2021年製作の映画)

4.5


学びへの要素がまだしっかりと確立されてない辺境の地で 自らの生活も犠牲にして子ども達と向き合う3人の女教師と 彼女たちから多くのことを学ぶ子供たちを見つめるドキュメンタリー。
「ブータン山の教室」を
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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

4.5


歪んだツリーの味わいと "粋な"プレゼント
手のひらに伝わるふくよかなぬくもりと
傷めた肩の疼き
笑い転げた幻のチェリージュビリー
右眼に宿る真実の灯し火

人生のひとコマが交差する運命のひととき
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.3


たった1時間に込められた珠玉の友情と幾多の物語に込められたレクイエム。夢を追うひと、かつて追っていたひと、夢半ばでやぶれたひとすべてに注がれる惜しみない賛歌。現実ではどうすることもできない理不尽な悲
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セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

4.0


"モンゴル=草原"の概念を覆す都会派モンゴルを舞台に自分という存在の輪郭がまだ不鮮明な女子大生サロールが未知の世界に足を踏み入れながら自ら人生を切り開いてゆく成長物語。
素朴なヒロインと生々しい性と
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.6


痛々しいほどに追い詰められて ぎりぎりの線をさまよう儚げな亡霊。あんなに広い豪邸で恐ろしい程の閉塞感、現代にも関わらずタイムスリップしたかのよう特殊な世界で"ダイアナ"というプリンセスを演じなければ
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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.5


抑圧された環境下で承認欲求の塊と化し壊れていくパールはまるで愛を渇望する駄々っ子のよう。溌剌とした顔芸の破壊力、瞬きもせず 全表情筋を駆使した コミカルなのにどこが切ないラストスマイルにミア嬢のど根
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ロストケア(2023年製作の映画)

3.7


揺るぎないはずの親子の絆が試され朽ちていく過程のやるせなさ この"社会の穴"は確かに存在してして、検察と被疑者 両者の問いかけと主張に善悪の本質は不鮮明となり 正解も不正解も出せない自分がいる。
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とべない風船(2022年製作の映画)

4.6


あーこの映画すごくすごくすきだな。
凪いできらめく水面の底には忘れたくても忘れない忘れられない尊い日々や閉じこめた悲しみがごろごろと沈んでいて、夢での再会や空の涙があの日の苦しみを簡単に撹拌し掻き乱
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夜を越える旅(2021年製作の映画)

3.8


途中で大転換を迎えるこの映画、そのあるシーンでびっくりして声が出た。
胸をざわつかせ闇に融けてゆくファンタジックな世界観 夢と現実 昼と夜 生と死の曖昧な境界線、すべては彼の綴る"不条理ファン
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セーヌ川の水面の下に(2024年製作の映画)

3.5


サメ云々の前にきらめくパリを彩る川底の現実におののく。人間のこれまでのやりたい放題のしわ寄せ、まさに上流から下流…下流から上流?の風刺が効いていて。
あの市長やられちゃえばいいのに😌って思ってたらそ
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6・メン・ゲッティング・シック(1966年製作の映画)

3.5


永遠かと思うほどしんどい地獄の4分間。もう1回書くけどリンチって病んでんの?
五臓六腑を蝕まれる苦しみを視覚聴覚で揺さぶってきてかなり消耗する

アルファベット(1968年製作の映画)

4.7


くっっっそやばいこれ🩸

蝕まれて排出される悪夢を彷徨うアルファベット。リンチって病んでんの?…って思ってたら奥さまの姪っ子がみた夢らしい。
耳にこびりつく不協和音、性的なメタファーを含め 潜在的に
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チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

4.5


スクエアの聖域の中で心も時系列もかき乱され コートの女神を巡って熱く繰り広げられるクレイジーな恋のラリー❤️‍🔥
恋の駆け引きとスリリングな試合の緊張感が融合した愛憎のマルチバース、滴り落ちる恍惚の
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.1


不安を煽ような劇伴に自然が奏でる耳にやわらかな音と人工的な機械音の対比、
'上流から下流への 縦に流されていく運命のグラデーション、(自然)(人間)(社会)(生と死)の摂理 'と '横移動に映される
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地球を守れ!(2003年製作の映画)

4.3


地球がエイリアンに侵略されてると信じている気弱な青年が、ある目的で宇宙人らしきおじさんを拉致監禁拷問する韓国発カルトムービー。
かなり前からアリアスターでリメイクプロデュースの噂があったまま、最近ラ
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ケンとカズ(2015年製作の映画)

3.8


背負ったものから逃れられず、理不尽に絡め取られ墜ちていく未来。個性がまったく違うケンとカズふたりの 種類の異なる鋭い眼差し、絡み合う視線の先できっとお互いの心情を誰よりも理解し合っていたであろう男ふ
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シティーハンター(2024年製作の映画)

3.5


ハードボイルドとおばかの絶妙なバランスの世界線で、昭和ぽさを残しつつしっかり現代に息づく冴羽獠の クールなのにおちゃめなインパクト。カリスマスイーパーへの憑依を声色まで含め完璧に体現する鈴木亮平最強
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モンスター/怪物(2023年製作の映画)

3.5


弟と共に謎の殺人鬼に監禁されたお姉ちゃんが奮闘するスリラー。
台詞ほぼなしで展開される、犯人に見つかるまでの緊張感は楽しかったけど 残虐性とかラストの振り切れなさ、インパクトが中途半端すぎて惜しい。
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マッドマックス2(1981年製作の映画)

3.1


前作からさらに荒廃した狂ったディストピアを彷徨うマックスの姿は世紀末に舞い降りたヒーローのよう。あとに続く作品の原形とも思える世界観がすでに広がっていたけど、ここからまさかあそこまでスケールアップさ
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マッドマックス(1979年製作の映画)

3.0


若いメルギブソン可愛い!
展開は緩いがカーアクションの臨場感ある猛烈なスピード感に興奮。嫁がめちゃくちゃキュートで家族や仲間とのありふれた幸せな日常が理不尽に壊される展開は当時ならきっと今よりも衝撃
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マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.3


最高最高🧸♡

怒りの炎に燃える女戦士フュリオサ誕生の物語。顔が真っ黒になっても髪の毛削いでも腕がなくなっても、アニャちゃんの破壊力抜群の目ヂカラが欲と暴力と狂気にまみれた煤けた世界に旋風を巻き起
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からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます


中学時代の切ない別れから10年の時を経て 再会した二人は 良くも悪くも変わってなくてまったりほっこり。
小豆島の長閑な潮風の匂いと青い空、夏を感じる虫の声に癒されながらの変わらない ほのぼのした関係
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ボーグマン(2013年製作の映画)

4.2


地中暮らしの謎の宇宙人?がある一家を侵略していく不条理劇。
びっくりするくらいポンジュノの「パラサイト」だったけど、無機質感漂う今作の方が断然好み。しかもこちらの方が古い。

裕福な家庭にじわじわと
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マジカル・ガール(2014年製作の映画)

4.5


失業中の父親と余命いくばくの娘、元教師の男、ワケあり風の人妻。
魔法少女のかけた魔法が彼らを導き 額に張りつく蜥蜴が蠢くとき、ちりばめられた運命のピースが静かにはまり見えてくる悲劇の円環
彼女はただ
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呪詛(2022年製作の映画)

2.5


あんな幼い子どもをこの手の作品に起用してメンタル面のフォローはしっかりされているのかが心配になる。

そんなに怖くなかったけど かなり不愉快になるオチが待っていて後味は最悪。途中爆睡したからまぁいい
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.0


からりとしたカラフルな日常で愛する夫と似たもの同士のファミリーとの 陽気で何不自由のないマニュアルのような生活。家事をして笑顔で仕事終わりの夫を労う幸せの象徴は はたして誰のための虚構なのか。

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関心領域(2023年製作の映画)

5.0


"わたしだけの理想郷🌺"

ホロコーストの残虐を斬新なアプローチで描いた異色作。
不安を煽るような暗闇をぬけて広がる 絵画でよく目にするような牧歌的な家族の風景から始まるオープニング。映し出される優
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

4.6


校内で頻発する窃盗事件の犯人を捜すため起こしたアクションによって理不尽な鉄拳制裁をくらい追い詰められていく、女教師目線で描かれる正義の崩壊

隙間ない緊張感に拘束され続ける息もできない地獄の99分。
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バーバリアン(2022年製作の映画)

3.5


暗闇から驚かされるのめっちゃ苦手。なので目隠ししながら観たけどラスト切ない🥲でも賢明な幕引き。
実際にあった事件をベースに練られたようなホラー。恐さよりもその悲しい運命を呪いたくなるような真実、繰り
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春画先生(2023年製作の映画)

4.0


春画の魅力に目覚めたヒロインの無垢な蕾はその魔法の媚薬によって妖艶に膨らみ 倒錯した世界で身も心も開花させていく。
局部ばかりに目が行きがちな 大胆なのに繊細で奥深く 創造性豊かな春画の本来の愉しみ
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午後の網目(1943年製作の映画)

4.0


モノクロの白昼夢に溶ける
エンドレスの憧憬

死を匂わす目眩を覚えるような
シュールでアートな描写の連続。
サイレントと音楽付きどちらも鑑賞
サイレントの方が好み