ゆうゆさんの映画レビュー・感想・評価

ゆうゆ

ゆうゆ

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.8

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ビデオカメラの中で眠っていたあの愛おしくも懐かしい時間。若い父と幼い私がレンズ越しにお互いを見つめ ありのままを映し出す、大好きなひとと過ごした色褪せた夏の記憶。
非日常の高揚感に通じるあの
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Benigni(2009年製作の映画)

4.1


クレイアニメのショート。
孤独なおじさんの腋の下にある日できたおできがみるみる成長してE.T.みたいな表情の人格がうまれる。ふたつのストロー、頬寄せ合うバットマン…ニコイチとなったふたりの仲睦まじさ
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the Future ザ・フューチャー(2011年製作の映画)

4.0


人生の過渡期に自身に向き合い彷徨うふたりとパウパウの30間日の軌跡。空気のような距離感からは想像もしてなかった未来への扉が開かれ 月の照らす導きがふたりに切ない影をおとす
3時14分の壁を打破し迎え
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君とボクの虹色の世界(2005年製作の映画)

4.3


愛し愛されたい"you & me" たちの夢の架け橋がオリジナルなパステルカラーで彩られるロマンティックで哲学的、シュールでポップでやさしさの滲む不思議な多幸感。みんなが緩やかに繋がり それぞれが背
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若葉のころ(2015年製作の映画)

3.7


風薫る瑞々しい季節(とき)を淡く眩く芽吹く 甘く切ない恋の苦味。燻りつづける胸の痛みは いつまでも私たちの心の片隅できらめきを放ち続ける、、
エンドロールだけでも充分にノスタルジーに浸れてぎゅっとな
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私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

4.2


あどけない顔立ちの中に世界を敵に回し威嚇するようにひかる鋭い眼差し、少女のように華奢な体躯には不釣り合いな苦しみを背負ってたどたどしく歩く覇気のない後ろ姿。自分の出自を恨み理不尽な制裁を下してしまっ
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(2021年製作の映画)

3.5


発掘された映像に映るのは世界最古のストップモーションアニメ…という設定。少女が死体を操り蘇りの儀式を行ってる様子はメルヘンとグロテスクの融合。シュールな恋の花は彼女の報われなかった恋も成就させたのか
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Luis(原題)(2008年製作の映画)

3.7


前作のルシアとルイスは恋人同士だと思っていたけど彼はかなり怒り心頭な様子。ルイスが呪怨くんに見えてくる
短尺でもどちらもインパクト大。

Lucía(原題)(2007年製作の映画)

4.5


めっちゃ怖い。
変容する少女の拙い声が耳元で囁いてるような緊張感にぞわぞわと肌が粟立つ。
尺も短いぶん「オオカミの家」よりインパクト強くて震える。
ヘッドホン視聴おすすめ

EO イーオー(2022年製作の映画)

4.0


雄大な自然美の中でその幻想を打ち砕くように我が物顔で振る舞う人間のちっぽけさ。愛とたくさんの無情を浴び見つめるイーオーの潤んだ瞳はまるで 欲望渦巻くすべてのカルマをのみこみ創成された世界(地球)の表
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コロニア(2015年製作の映画)

3.5


「オオカミの家」のヒロインが逃亡してくるモデルとなったコミュニティが今作テーマのコロニア・ディグニダだと知りすぐに後追い鑑賞。
閉鎖的な内情は独裁的な男による一見 牧歌的、その実情は洗脳的に支配され
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.6


めくるめく悪夢の細胞分裂を体感してるような衝撃、確かにアリアスターが虜になるのもうなずけるストップモーションアニメで彩るダークなワンダーランド。ワンショットで展開される70分は廃れたお化け屋敷で心が
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ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~(2022年製作の映画)

5.0


「ごめんね」と「ありがとう」が何度も交錯する尊い夫婦の絆。ずーっと同じ場所で笑い合い慈しみ合い愛情たっぷりの食卓を囲んできたかけがえのない時間。娘が「ただいま~」と言えば、いつも両親のあたたかい笑顔
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.8


自分で築き上げてきた頂点を死守しながらもその土台が次第に蝕まれていくという物語は至ってシンプル、だけどとにかくケイトの独壇場で支配する狂気と音の魔力にぐいぐいと惹き込まれる160分だった。ポスターに
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セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身(1966年製作の映画)

3.6


整形手術によって別人に生まれ変わった男が陥る恐怖の末路。
"死者"に導かれ おかしな世界に迷い込み次第に追い込まれていく世にも奇妙な物語。人生の表面だけをなぞってきたような男が面の皮を替え再出発する
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

3.8


ミカエルアースの、悲しみの淵から緩やかに再生されていく人々を見つめる平坦であたたかな眼差し、彼の視点で映し出されるフランスの 少しひんやりとして寂しげなのに熱気を帯びたノスタルジックな街の喧騒がとて
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ジュリア(s)(2022年製作の映画)

4.0


ひとりの女性の"もしも"で派生するそれぞれの運命。些細な偶然の積み重ねがこんなにもドラマティックに生き方を左右してるのかもしれないという説得力。お気に入りルーさんの、生き様によって繊細な変化をみせる
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悲惨物語(1973年製作の映画)

3.8


ふたりだけの背徳的な時間、うまれた
ときからふたりの関係性は父(義理)と
娘ではなく男と女だったんだと思う。
母性を知らない娘(少女にも見えちゃう
不思議)は自分を抱きしめるようにいつ
も膝を抱えて
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害虫(2002年製作の映画)

3.6


イノセントな色香を放つ無邪気な魔性はま
るで 雨だれに張り巡らされた蜘蛛の巣のよ
う。瑞々しく儚げなのに強固な女の毒も秘
めてるようで 惑わされた男たちはその魅力
に囚われるといくらもがいても逃げら
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その日、カレーライスができるまで(2021年製作の映画)

3.5


さえないおじさんのほっこりカレー日和を
想像してたけど何気に切なくていい意味で
裏切られる。リリーさんの零す涙の哀愁に
こちらまでうるうる。
わが家のカレーは2日目以降謎に誰も食べ
ないので最近はも
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愛おしき隣人(2007年製作の映画)

3.7


グレイッシュなトーンで死人みたいな人達
の真顔が織りなす 静止画のようなロイアン
ダーソンのオリジナルの世界。まじで寝な
かったことないんだけどなんかクセになる
絶大な魅力。
かなしいことも小さな希
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それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

4.2


母として娘として女として見つめる日常の
風景は嬉しみや哀しみ、やるせなさに溢れ
色んな表情の涙が彼女を彩る。これまでも
たくさんの涙を流してきたであろう彼女が
日々うまれる小さなドラマに翻弄されなが
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アルピニスト(2021年製作の映画)

4.1


そこにに聳え立つ壁があるから高みを目指
し貪欲に登りつめる、ただそれだけのこと
なのに人間の限界の更にその果てに手をの
ばしているような とてつもなく壮大なドラ
マとロマンを感じた。飾らない言葉と無
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イーグル vs シャーク(2007年製作の映画)

3.6


暗い海底をさまよう孤独なリリーが恋した
のはトゲトゲしい日常の中できらりとひか
る勇者のワシ。クセ強オーラむんむんだけ
ど 運命的なホクロの繋がり以上に彼女には
はじめから彼の内面に潜む悲しみや孤独
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ボーイ(2010年製作の映画)

4.3


憧れだったヒーローは腐っても憎めない ず
っと少年のままのおっさんだった。血は争
えない卵な親子たちのくそダサさがおちゃ
めで情けなくてどうしようもなく愛おしい。
たくさん掘ってうまれた穴だらけの残
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幻滅(2021年製作の映画)

3.8


決して未来を予見してるわけじゃなくて時
を経ても変わらない人間と社会の本質がエ
グい。ロマンチストでおぼこい青年が都会
の絢爛と欲望にのみこまれ溺れていくしか
ない中で なんとか波に乗っかろうと虚飾
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手袋の失われた世界(1982年製作の映画)

3.5


手袋を人に見立てたショートフィルム。
短編ながら作りが凝っていて 発掘されたフ
ィルムを映してみると…的な展開が面白
い。男と女、ロマンスありホラーあり独裁
者やSF的な要素も満載。そして『アンダ
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マーサ(2019年製作の映画)

3.5


赤から青へのさようなら。
デジャブ感ある内容だけどいつも惹き込ま
れる孤独な世界。
彼女の不安は彷徨うことなく昇華する🎈

最後まで行く(2014年製作の映画)

3.7


クズに闇堕ちしてく男がさらに追い詰めら
れていくおはなし。悪さしてるのに憎めな
い狼狽えぶりがちょいちょい笑える。岡田
くんver.はきっともっとチャーミングなの
かな☺︎ ラストもひゃっは~🙌🏻

ティーン・ホース(2019年製作の映画)

3.2


ティーンの軽さと繊細さに揺れるヒロイン
の女の子のビジュアルがすごい好みで絶賛
応援したくなる。新しい環境に馴染むのに
もぶれない自分らしさを持った凛とした美
しさがあって前を向いて笑顔を取り戻すラ
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観察者(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます


まさに"目には目を"な職権乱用

シドニースウィーニーが美ボディすぎて
眼福。顔と体のアンバランス(ほめてる)

成れの果て(2021年製作の映画)

3.3


すっぴんよりも自分を彩ってた方が生きて
いくうえでは楽なのかもしれない。
みんなどこかズレてるのに誰もそれに気づ
いていないし自己処理できない鬱積が次第
に露呈していく感じが怖い。
みんなやばかった
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揺れるとき(2021年製作の映画)

4.4


子供以上大人未満、大人の世界を
いっちょこまえに知る聡明な少年が
背伸びして高みへと手を伸ばす、
その可能性はどこまでも無限大なのに
自分の生まれ堕ちた場所が希望を内包した
翼を広げさせてくれない
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ゴールデン・エイティーズ(1986年製作の映画)

3.7


80年代の地下モールを舞台に繰り広げら
れる恋のわちゃわちゃ。思うように進まな
い恋心は足早に行き交う人々の喧騒とよく
似ている。色とりどりの人工的な華やかさ
の中に見え隠れする秘めた悲しみやどこか
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さよなら、人類(2014年製作の映画)

3.2


どのシーンを切り取ってもアート、言い方
を変えればおとなの学芸会にも見えちゃう
し目で見て感じる哲学みたい。
かなり前から何回も観てて今日やっと最後
までたどり着いたけど途中100%観れた自
信がな
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