あんじょーら

裁かるゝジャンヌのあんじょーらのレビュー・感想・評価

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)
3.8
カール・テオドア・ドライヤー監督     GAUMONT     U-NEXT


あ、あの、カール・テオドア・ドライヤー監督作品までラインナップされているなんて、本当にU-NEXTさんは凄いです。もうU-NEXTさんだけでいい気もしてきました。やっと観られるの、本当にありがたいです。なかなか見られる機会が無いので。


パリの下院図書館に奇妙な資料がある 
ジャンヌ・ダルクの裁判
彼女を有罪とし、死刑判決を下した
裁判の過程を記録した尋問調書である

という字幕に続いて、古そうな大判の書籍をめくる映像が・・・というのが冒頭です。


サイレント映画の傑作、と聞いてから観たかったのですが、なかなか見れる機会が少ない上に、配信にはまず入っていなかった作品なので、U-NEXTに感謝しかないです。


サイレント映画なのですが、音楽はつけられています。


ジャンヌ・ダルクの裁判記録を基にした裁判を描いているのですが、主演のルネ・ファルコネッティの演技というか表情が凄いです。たしか聖人認定されていたと思いますけれど、そういう事じゃなく、人間、ジャンヌを描いています。


それと同時に、いわゆる権力を手にした人間がいかに恐ろしまでに排他的で傲慢な態度になるのか?威圧的で高圧的な態度なのか?それが聖職者として振る舞いとしてどう見えるのか?を凄く意識させられます。


ほとんどが、ジャンヌを画面に収める場合、ほぼ顔だけのかなりのクローズアップな構図で、自然とジャンヌの顔の表情だけを強く意識させられます。しかし、ジャンヌ以外の場合は割合バストショットまでの寄りで済ませているのも特徴です。


どうしてもジャンヌの立場に立たされる作品です。


そのジャンヌが、人間味あふれる行動を取る際の表情、目の動き、とても印象に残ります。


ジャンヌを演じたルネ・ファルコネッティさんの演技、圧巻です。


観て本当に良かった。


ジャンヌに、そしてサイレント映画に興味がある人に、オススメ致します。