きんろー

裁かるゝジャンヌのきんろーのレビュー・感想・評価

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)
4.5
数々のメタファーと出演する俳優を信頼しきり表情で物語る。言葉などもはや不要に感じてしまうほどだった。
音楽もこの映画においてかなり重要な役割を担っていたと感じる。特に終盤のシーンで奏でられる荘厳な音楽は、まるでジャンヌの死を見守る民衆に混ざっているかのような没入感を感じさせられた。その効果はまさに支配的だったと思う。

互いに耳元で何事かを囁き合いジャンヌを陥れようとする審問官と一貫して自分の神を信じるジャンヌ、このどちらが悪魔の使いに見えるかといえばそれは審問官だろう。数々の苦難と対峙してボロボロになりながらも信仰を守った姿はヨブと重なる。その高潔さには強く胸を打たれた。
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