フージー

ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦のフージーのレビュー・感想・評価

3.1
宇宙からスタートする今作は、無印編よりスケールが大きくなった宇宙規模がテーマとなるドラゴンボールZのスタートとも言える作品。

悟空抜きでも悟飯と仲良しのブルマ、ウーロン、クリリンのキャンプは映画版ならではのプライベートが覗けるファンにとって嬉しい作りで、悟飯の持参した参考書の山から蚊取り線香、非常食に至る大きな荷物に対して「なに考えてるんだ、お前の母ちゃんは。」とウーロンが突っ込む様子はZ戦士たちの穏やかな休日を感じられます。

今回は“地球まるごと”と言っているとおり、終始動物や自然がテーマとなっており、火事で焼失した森をクリリンと悟飯がドラゴンボールで元に戻し、ブルマが「みんないい子なんだから。」とシミジミ言うほどハートフルな展開も用意されています。またラストには神秘的な音楽で、動物や森が復活し、素敵なネイチャー作品となっています。

OPテーマは上空のパノラマの景色からスタートで、悟飯とクリリンのドラゴンボール探しのロードムービー的な作りで、天津飯と餃子も途中で登場したり、EDテーマでは悟飯とハイヤードラゴンのパノラマ飛行で、どちらも今までにない表現でワクワクしちゃいます。

この作品でハイヤードラゴンが初登場し悟飯に甘えて仲良くなり、また一緒のお昼寝シーンはたまらなく可愛く、動物愛も感じられます。この信頼関係から、悟飯が大猿化した時も悟空では無理だったが、ハイヤードラゴンへはBGMが穏やかになるほど、大猿なのにあり得ないくらい心を開いてくれるのもあったかポイントです。

気持ち悪い手下は揃っているものの、これまでにない格好良さを持ち合わせた映画版の悪役ターレス。悟飯の強さを見破るなど目も肥えています。悟飯を大猿にしても、自身のパワーボールを使い自分の大猿化を防ぐなど用意周到です。

ハイヤードラゴンと友達になったことをきっかけとして、悟空の友達とつるむようになって勉強しなくなったと悟飯に怒鳴るチチ、反対するチチの目を盗んでハイヤードラゴンの居所を確保する悟空などの家族の関係も面白い描写で、また、大猿悟飯に襲われながら気にかける悟空の父性も描かれています。

15年ローンの飛行機が壊れ結局倒されるヤムチャや、映画初出しの滝で修行中のピッコロさんは悟飯のピンチに訪れるなどの平常運転も嬉しいポイントです。

悟飯の魔閃光、クリリンの気円斬、天津飯の太陽拳、ヤムチャの操気弾が映画で初お目見えしたり、キレた悟空が敵5人をバチボコにしたり、戦闘シーンにも見どころがあります。

またターレスのマイペースぶりが面白いのがこの作品の特徴で、悟空が地球人だと主張して嫌がっているのに何度もサイヤ人の話題をぶり返したり、「この星のど真ん中に墓を立ててやる。」「膝間付いて命乞いをしたら許す。」等パワーワードも満載です。

オールスターが最大の特徴で、今作からは怖がられているもののピッコロは仲間として戦ったり、またテレパシーで悟空とそれぞれ皆と通じ合ったり、ぶっ倒れたはずなのに最後に再びピッコロ、クリリン、天津飯、ヤムチャ、餃子が加勢したりと胸アツの団結力をZ戦士に感じました。

10倍界王拳や「おめえだけは許さない」悟空の名言も登場します。また、地球上の元気が神精樹に吸い取られて元気玉の元気が足りないとか、神精樹が悟空に力を分けた等クリリン、映画初出演の界王様から詳しい解説が聞けたのもありがたかったです。

最後のオールスター(ピッコロ、チチ以外)でキャンプをする平和な日常の光景は微笑ましいです。ウーロンがハイヤードラゴンに威嚇され「コイツ、ピッコロと同じで悟飯にしか気を許さない。」といつものブーブー文句のあとに場面が切り替わり、ピッコロも「ふん!」と答えているのもいう展開もホッコリします。

Z戦士オールスターの団結力、森と動物との共生、ターレスのキャラの魅力が詰まった作品です。

出演キャラ:孫悟空(6) 孫悟飯(3) ハイヤードラゴン(初) ピッコロ(3) クリリン(5) 天津飯(2) ヤムチャ(4) 餃子(2) 界王様(初) ブルマ(6) ウーロン(5) チチ(3) 亀仙人(6) プーアル(4) バブルス(初) グレゴリー(初)

神龍登場:森の復元

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