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セミマゲドンのYSKのレビュー・感想・評価

セミマゲドン(2018年製作の映画)
4.1
8月の注目作といえば『シン・エヴァンゲリオン』ではなく『セミマゲドン』!
この作品の存在を知ってから1か月、首を長くし喉から手を伸ばし愛しいあの子からのLINEを待っていたあの時のような気持ちで日々を過ごしこの日を待ち望んでおりました

公園で撒かれていた草木用の栄養剤?を浴びたセミが巨大化し人々を襲うようになったこの作品、トンデモポイントはいくつかありますが、その筆頭となるのがCGの使い方になるのは間違いないでしょう
なにせ『セミマゲドン』はフルとまではいかずとも8割くらいはCGで作られています
襲いくるセミの集団から車で逃げるシーン、普通の映画なら車で走るところを撮影しそこにセミを合成するでしょう、しかしですよ?公道で撮影すると許可が必要になりますよね?ですので公道も合成するのです!車中以外はすべて合成!というか、ヒト以外はすべて合成!すごく効率的!
セミはもちろんのこと、ビルも合成、爆発も合成、セミに襲われ四肢をもがれた死体も合成!見よ、これがIT革命だ!!!!
しかもよく考えてみてください、かつて『必殺!恐竜神父』では車が炎上するシーンで、” VFX : Car on fire“というテロップひとつで燃えたことにしていたのが、今ではちゃんと爆発させるようになった!これを成長と呼ばずになんと呼ぶのか!短期間でこれほどの成長を見せてくれるなんて、可能性の塊と呼んで差し支えないと思いますよ!

そしてこれは今まで知られていなかったことですが、セミの主食といえば樹液、樹液といえば糖分、糖分といえば可燃性、つまりセミに火をつけると爆発します!
人ひとりを軽々と持ち上げ四肢を引きちぎる強靭な力、爆発し燃え上がる体組織、髄液を吸うために頭蓋骨すら貫く口、銃弾すらもはじき返す堅固な外骨格!
もしかしたら我々はセミのことを知らなすぎたのかもしれない…ある種恐怖すら感じる蒸し暑いこの時期にピッタリの作品でした

上半期の『BAD CGI SHARKS』『ウィジャ・シャーク』『必殺!恐竜神父』に続き、下半期のベスト10でも上位を独占する可能性が非常に高い傑作です!
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