絶望とは。希望とはー。奥深いテーマをわずか140秒で表現した、超短編映画コンテストのグランプリ作品。近未来SF仕立ての、笑いあり涙ありの傑作です。
舞台は荒廃した近未来の日本🇯🇵。慣れ親しんだ街は、巨大なエイリアン👾に破壊され、無人地帯と化している。そんな世紀末の日本で「僕」👨は、陽気にYouTube動画\(^^)/を撮り続ける。画面に表示される視聴者数は、常に「1」。明るい声で「どーもどーも!」(^o^)と切り出し、どこの誰とも知らぬたった一人の視聴者👤を相手にテンションを上げていく。
※ここからネタバレありです。
しかしWi-Fiを供給する上空のドローンは一機また一機と減り、中継動画のノイズ⚡も増えるばかり。ライブ配信中の「僕」の「どーもどーも」の声に、いつしか嗚咽😢が混じるようになる。
視聴者数1は他人でなく、自分をカウントしただけの数字ではないか。この世界には、自分一人しかいないのではないかー。そう考え、絶望する「僕」。だがその「僕」に、小さな奇跡✨が起こる…
とにかく主人公を演じた制作者の演技力が素晴らしい。明るいYouTuberに徹し続けることで現実逃避している様子がよく分かった。極めつけはラストシーンだ。小さな奇跡に出会った直後、「僕」はこれまでの陽気なトーンと全く違う声で「あっ、どうも」とつぶやく。なんというコントラスト!
最後の「どうも」は、リアルな出会いの際に出る「どうも」であり、明日への希望に満ちた「どうも」だったのだ。
閉塞感漂うこの日本で、つらい現実から逃れたいリスナーに向け、テンションMAXでライブ配信を続けるYouTuberたち。荒廃した近未来日本で陽気に振る舞う「僕」は、現実のYouTuberたちのメタファーかもしれない。
おかげさまで、140秒の間に、壮大な世界🌐を見させていただきました。新作に大いに期待したいです。天晴れ❗