日下勉

東京クルドの日下勉のレビュー・感想・評価

東京クルド(2021年製作の映画)
5.0
2人のクルド人青年を追ったドキュメンタリー。2人とも小学生のとき、故国のトルコから家族で日本に逃れて来た。そしてすでに10年の時が経ち18才と19才。どちらも難民認定されず、仮放免の状態、すなわち就労も出来ず異動も制限され場合によっては無期限に収監される可能がある。1人は高校を卒業して専門学校へ進むが、卒業し資格を得てもビザが取れない限り資格は取っても何の意味もない。もう1人は解体作業の現場で将来の夢も持てない。
どうでしょう、これだけの不条理がこの日本にあることに驚きませんか?
そして、入国管理の担当官から「もう他所の国に行ったら」と言われる。
1人の青年が専門学校への入学式のとき、国旗と君が代が流れるのだけど、こんなに皮肉で悲しいシーンは見たことが無い。
日下勉

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