Nyayoi

ONODA 一万夜を越えてのNyayoiのレビュー・感想・評価

ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)
3.9
日本残留兵、小野田寛郎さんの実話。ニュースは覚えているけど、サラッと聞き流していた。

小野田さんは特殊部隊で援軍部隊が到着するまでゲリラ戦を指揮するよう、命令を受け「君たちには、死ぬ権利はない」と言い渡されていた。そしてそれに忠実に従った。
1944年のこと。間も無く終戦となっていたのにそれから30年を過ごした過酷で壮絶な日々に驚く。

上官の指示がなければ出て行かない、というあまりにも強い意志。これがなければ生き延びていなかったであろう。時代とはいえ、洗脳とも言える教育はここまで人を強くするのか。

こういった映画がなければ何も考えずに忘れてしまっていた。ラストは良かったのだと思う。まだ残りの人生があった。戦争というこの時代にあまりにも多くの人々が亡くなっているのだ。そして戦後の華々しい復興の中で、取り残されていた人がいた。

これがフランス人監督の作品いうのも驚きだ。淡々とその事実を小野田さんに寄り添うように追っていく。外からの視点で見ているのだ。

説得した旅行者がなんともいえずに味がある。
探してくれて、気づいてくれて本当に良かった。
Nyayoi

Nyayoi