るい

ONODA 一万夜を越えてのるいのレビュー・感想・評価

ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)
3.8
ざっくりとした事実しか知らなかった方
終戦を知らされぬまま30年1人で戦い続けていた小野田さん
ということまでは
有名だったので知っていたんだけど
まさかその30年間を描いた映画があったの知らなかった💦
フランス、ドイツ、ベルギー、イタリア、日本の合作

太平洋戦争末期の1944年
当時士官学生であった小野田寛郎は
航空兵を志願していたが
高所恐怖症であることを見透かされて
陸軍中野学校を紹介され
スパイ訓練を受け、陸軍少尉となる
そしてフィリピン・ルバング島へ派遣され
ルソンが米軍の手に渡り、進撃してくるのも近いと
飛行場の破壊等の命令を受け
彼はそれを伝えやってきたのだが
経験が浅いと舐められて彼を見下し
皆は命令を無視する
ついに敵軍が攻撃を仕掛け、戦場は激化していく
しかししばらくして
アメリカ軍がいなくなっていて
残った者たちが「war over(終戦した)」と叫び続けていて
戦争が終わったのに人を殺しちゃまずいんじゃないか?と問うが
小野田は頑なにまだ終わってないと言い張り
島に残る決意をしていた
もはや皆撤退して残ったのは小野田を含む
3人
そして彼は特別に育成され
何故この島に派遣されたのかの
真実を打ち明ける
「他の兵士が死のうが君たちは死んではならない、生き延びろ」と、援軍が来ることを信じて
それが命令だった‥‥
この命令を頑なに守って無駄に30年も彼は戦争を続けていたのかってびっくりした
と同時に
やはり戦争による、刷り込み教育というか
そもそも現代とは考え方が違う
当時の当たり前が怖いなと改めて思った
正直他人事だったら、
そんな命令守ってて馬鹿じゃないのかって思うのが本音
だが命令を受けてる本人にとっては
迎えが必ず来ると信じ続けなければならない
のだよ
それが悲しいというか
この作品観れば、やっぱり彼は心の底では帰りたかったんだろうなって
にしてもその30年が本当過酷なんだよね
まず手始めに
島を隅々まで調査すること
苦手な高所も調べなければならない
さらに島民を殺しながらも、食糧を奪い合い
生き延びなければならないという現実
仲間の死もある
何よりも今自分は何と戦ってるのか分からない
こんなの当たり前だけど
普通に耐えられないそれを30年
これいくら小野田さんが特殊だとはいえ
1人じゃ絶対無理だったと思う
仲間と助け合いながらだったからこそなんだろうなっていうのが凄い分かった
やっぱり人間って助け合わないと本当生きられないんだよなって
だから仲間と取り残されたって事実を知れて
良かったなって思えた
いや30年終戦を知らされないって事実は良くないんだけど
てか一回5年後に迎えが来てるんだけど
それでも米軍の罠だって、逃げたんだよね
小野田さん
ちょっとそこは素直になりなよってツッコミたくなってしまった
気持ちは分かるんだけど💦
にしても30年って本当長いよね
この映画でも
青年期を遠藤雄弥が
成年期をツダカンが演じ分けていて
もう
一つの大河ドラマやん!って💦
小野田さんはまさに
リアルランボーでした
にしても最終的に迎えに来たのが
ただの旅行客と当時その命令をした上官って凄いなぁ
説得するシーンめっちゃ良かったな
30年経って初めて聞く玉音放送が凄い沁みる🥹
るい

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