たくみ

欲しがり奈々ちゃん ひとくち、ちょうだいのたくみのレビュー・感想・評価

3.8
監督:城定秀夫、脚本:首藤凛という自分の好きな作家陣の作品。
ただのピンク映画ではなくて、中盤とある展開があるおかげで普通に映画として面白いと感じる事が出来ました。
誰かの所有物でないと魅力的に見えなかった主人公が、誰かのものでなくても好きになれる様になる成長譚でもありました。
良い意味で裏切られた感じでした。

コメディ部分は別のキャラクターに任せているのも良かった。
シン・店長の彼がクスッと出来て好きでした。

脚本の首藤凛は『ひらいて』という作品で好きになったのですが、『ひらいて』と今作で描いている主人公の人物像がかなり似てます。
どちらも「人のもの」を自分のものにしようとする人間を描き、その人間がどのように挫折し、成長していくのかを描きます。
その描き方に無理がなくて、良い意味で普通の人間に落ち着かせる優しさが首藤作品の好きな所です。

ピンク映画なので『ひらいて』よりも絡みの部分はだいぶ生々しい感じ。城定節ですね。
(因みに『ひらいて』も直接的なシーンは無いにしてもまぁまぁ過激で、絶対に首藤さん城定さんから技を盗んだなって感じです)

70分くらいの作品でサクッと観れるので是非。

【その他メモ・独り言】
・主人公もまぁまぁヤバいけど店長も結構ヤバい。
・劇中出てくるラブホ『愛なのに』でも出てきてたな。
・「なんとかやっていきます!」
たくみ

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