ヤクをパクった友達を殺害した若者リッキー・カッソ(通称アシッド・キング)の映像化。カッソをジム・ヴァンベッバーが演じており、線の細い青年であった実物とかけ離れたビジュアルが衝撃的。殺害シーンの容赦のなさは、これぞヴァンベッバー！な暴力映像。カッソ事件は80年代アメリカを席巻した、悪魔崇拝的イメージを有するカルチャーに対するヒステリックな批難…いわゆる「サタニック・パニック」の火に油を注いだ。かようなバックグラウンドもあり、カッソ事件は社会的な衝撃が大きく、劇場公開を目して『Ricky 6』なる映画も製作された。オリジナル版『フラットライナーズ』脚本家ピーター・フィラルディがメガホンを取った同作は、社会的影響を考慮してか、映画祭での上映後はビデオ化もされず、今尚お蔵入りの作品となっている。

ジャンキーグループのリーダーリッキーが次第に麻薬と暴力とサタンへの悪魔崇拝により身を滅ぼして行くジムヴァンベッパーが自ら主演脚本監督を務めた初期短編。

乳首ピアスがつけられて剥ぎ取られるまでの一連のシーンが見られるのはどこを探してもこれだけ。

短編でゴア描写こそ少ないもののラストのキャンプファイヤーのシーンで新米乳首ピアスことゲイリーくんの頭を頭部破壊するシーンはなかなかパンチの効いたゴアで好きです。

• #未公開ホラーの巻