noborush

フランスのnoborushのレビュー・感想・評価

フランス(2021年製作の映画)
1.5
France 2021年作品
3/10
ブリュノ・デュモン監督脚本
レア・セドゥ ブランシュ・ガールディン ユリアーネ・ケーラー 
バンジャマン・ビオレ
ジョン・ウォーターズ2021年映画ベストテン4位
TVの人気ジャーナリストが移民の若者を車ではねたことから、精神が不安定に
なり、仕事も上手くいかなくなる。この主人公はそもそも真面目に社会のこと
など考えてなく、その場その場で適当に生きてきた人物で、自分の体験として
移民と接したことで中途半端な社会意識に目覚めてしまったため、なれない
ことをしはじめて、ドツボにハマった感じ。
着眼点は良いのだけれど、主人公と同様に話の軸もないので全編ふらふら
していて雑に感じる。
レア・セドゥは自分からみたらどうみても不細工なのだけれど、映画で
大衆が口々に美しいというのが違和感を持ってしまう。
(大衆が愚かであるという演出ならまあ分からないでもない)
不細工を美しいといわせる演出は「最後の決闘裁判」のアダム・ドライバーの
ときもそうだったが、ルッキズムへの挑戦なのだろうか。
ただこの不細工なレア・セドゥが途中で取り乱してさらに不細工な顔をする
というのはそうそう観られるものではない。
(「ブルーベルベット」のローラ・ダーン並だった)
少なくともTVジャーナリズムがまともに社会意識を持っていない
(右も左もない)ということまでは語っているが、ヨーロッパ全体としての
社会意識がどうなのか、リベラル的な思想がファッションなのか、金銭的な
理由なのか踏み込んで欲しかった。
とりあえず終始ふてくされた顔をした主人公を観察させられるのは苦痛だった。
noborush

noborush