fern

すべてうまくいきますようにのfernのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

扱っている主題は重いのですが、軽妙な演出方法がとられていて
観終わった後も、安楽死について考えさせられながらも
気持ちは明るい方向を向くような映画でした。

何といっても娘役のソフィー.マルソーが魅力的
父親が何とか考え(安楽死)を変えてくれるように仕向けつつ
彼の気持ちもわかるし、と言う心の葛藤をよく表していました。

そして主題は安楽死についてでしたが
実は父親はホモセクシャルであったとか
ホモセクシャルである父親と結婚した母親の苦悩(それを表立っては見せない演出でしたが
娘から「ママ、何故離婚しなかったの?」と質問され「彼を愛していたから」と答えていたのが印象的でした))とか
姉妹愛、家族愛、などの細やかな背景も描かれていたので
淡々と進むストーリーでしたが、映画に厚みを感じました。

エマニュエルとパスカルの暖かい関係
結婚しているのかパートナーなのかセルジュとの良好な関係に
とても慰められました。

合法的な安楽死を支援するスイスの協会とのやり取りも興味深く
もし自分が何もできない状態、あるいは苦痛や痛みとともに生きなければならなくなった時には
そういう選択もできるんだなあ、とぼんやり思ったりしました。

やはりフランソワ.オゾン監督の映画、好きだな。
fern

fern