こまだこま

ニトラム/NITRAMのこまだこまのレビュー・感想・評価

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)
3.9
『神様なんかくそくらえ』のケレイブ・ランドリー・ジョーンズが主演作品とのことで楽しみにしていた作品。
1996年に実際にあった事件を題材にしているということもあり、過剰な演出が少なくドキュメンタリーのようなストーリーの追い方のある種静謐な映画だった。
主人公の生い立ちや歪んだ母子関係について表立って描かれてはいないものの作品内部からジワジワと感じさせられた。同棲相手の女性と主人公は互いの孤独を響くように感じられたか故に一緒に居たんだと思う。現在の主人公だけを目の前にし彼の内面に魅力を見出すお相手なのがよかった。主人公の両親と食事をした際、結婚相手・友達といった型に嵌めて白黒つけたがる母親の姿を見てキツいなぁと個人的に思った。
作品内で、主人公のことをバカにする・見下す人たち(サーファーの男性、母親)と彼の一部分でも認めて褒める人たち(ヘレン、銃専門店の店員)という対極な登場人物らが出てきたが、後者の人たちが印象的だった。
部外者ながら、もしかしたら彼の良い部分や特技を伸ばせるような手立てがあったら事件に結びつかなかったのかもしれないと思ってしまった。
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