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ニトラム/NITRAMのSSDDのレビュー・感想・評価

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)
3.4
■概要
社会に馴染めず周囲からは厄介者として疎まれ名前を逆さまに読んだ名前で馬鹿にされる青年。母は奇行に悩み、父は将来を憂いて彼のためにできることを考える。
ビーチでのサーフィンに憧れてボードを買うために青年は芝刈りを近所に委託しないかと持ちかけていく中、一人の女性と出会う…。

■感想(ネタバレなし)
実際に起きた事件をベースに加害者の生い立ちが描かれるが、同情的な内容ではなくあくまで淡々と描かれた作品。
同情したくなるのは加害者の家族や、加害者に出会った女性。
奇行が抑えられなかったり諸々は何に依存しているかわからないため、病気なのか精神的な疾患なのか、脳の障害かはわからない。
自身でもどうしていいかわからないという状態でも同情の念には駆られない…。
重く、不快。









■感想(ネタバレあり)
監督のインタビューを見るとモンスターとしての加害者を描くつもりはなく、あくまで一度は目にする厄介として扱われる人物が起こした事件であり、日常に潜む闇として描かれたようです。

直帰で起きた乱射事件にインスピレーション受けたかもわからないし、父の自殺やヘレンの死は直接的きっかけではなく重なった不幸から始まり、大きなきっかけはなかったということのようです。

それは銃規制の甘さが起こす社会的な問題・課題で誰もが手にできる銃社会に対しての警鐘的作品として観てほしいという結論になると思います。

今は簡単にSNSなどで人と繋がれると思う社会になっても、誹謗中傷を受けたり、簡単に孤立してしまう社会。孤独の闇は誰でも抱えることはあるかもしれません。

人にはオススメするような作品ではないですが、銃規制があることで日本は恩恵はあるのだとこれからも規制し続けてほしいと思います。

追記…まさか国内で元首相が手製の銃での暗殺が起きるとは…。国内で安心なんてものはボケていたのか…。
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