「時々僕は自分を見て 分からなくなる 誰を見ているのか なんて言うか そいつに届かない みんなと同じになるよう そいつを変えたいけど 方法が分からない だから結局僕は ここに こうしてるしかない こんなふうに⋯ 僕がこうしてここにいるのは パパみたいな 弱虫じゃないってだけ」
この作品でカンヌ主演男優賞をとったケイレブ・ランドリー・ジョーンズはもちろん、今まで観た作品はあるようだけど特に注目していなかった名バイプレイヤーたちの演じる、お母さん(ジュディ・デイヴィス)、お父さん(アンソニー・ラパリア)、ヘレン(エシー・デイヴィス)の、記憶に残るような名演技がすごかった。
また、その演技を引き立て、それぞれの人物のパーソナリティを引き出す演出も良かったんだろうと思う。例えば、お父さんがハンドルを握りしめるシーンや、ヘレンの口紅がはみ出した派手な化粧姿など。
悪い子でも、社会性が全くないわけでもない、大きな子どものような、「特別な人」の二トラム。
2023-194/字幕