全体的に不快で想像するだけで不安になる題材を扱った絶望的でなんの救いもない映画。過剰にドラマチックにせず事実を淡々と描き、その中でもケイレブ・ランドリー・ジョーンズの演技は完璧だった。ただ、なぜこの映画を作る必要があったのかわたしにはわからなかった。生存者や被害者家族はまだ生きているだろうし、銃規制に賛成している人はこの映画を観るまでもなく事件が起きた瞬間、いや起きる前から銃などこの世界に必要ないと確信していたはずだ。ならばなぜ国家的な悲劇を持ち出し犠牲者たちの傷を抉る必要があったのか。なぜそのままにしておかなかったのか、なぜそっとしておいてあげなかったのか。それがわからなかった