シカク

MEMORIA メモリアのシカクのレビュー・感想・評価

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)
3.7
ジェシカが夜中に聞いた衝撃のような音を、人間の記憶や意識をモチーフに、哲学的に探求する、何を最初は見せられているんだろうとなるけど見終わった後の不思議な余韻と、日々の暮らしの中に内在する意識の出所に付随する記憶や物語に、翻弄せれながら向き合う感覚が尾を引くとても変わった映画。

終始、静謐さの中ゆったりとした会話や違和感のある事象で、日常に紛れている異変を間違い探しかのように目を凝らしている感じ。 

作中にも夢や宇宙という単語が出てくるが、夢の中を彷徨い歩いてるみたいで、記憶があべこべに混乱したりある人が忽然と消えたりと、時制のズレと既視感、意識の点滅(冒頭の車の防犯ブザー)みたいのがちょっと油断したら寝てしまいそうな所に棚から紙を引く抜く感じで地味に興味心を引き起こされた。
 
監督が頭内爆発音症候群を患った事を背景にその謎の音に導かれる本作は、
日常生活での、この時、この場所、この人といる時、ああいう状況の時に、こんな事やあんな事を思い考えてるいつもの傾向に関心や疑問符が浮かぶ良いきっかけにもなったかな。認識や感じ方の違いで行動も変わっていき、ラストに結実するまで想像力と気の持ち様を試されるけど、また覚悟ができたら(結構こう眠くなった)見直してみたい映画でした。
シカク

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