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わたしは最悪。のザのレビュー・感想・評価

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
4.2
30代のモラトリアムがびっしり描かれており、身につまされる思いで見た。何者にもなれないが、恵まれていない訳でもない、でも終始ふらふらしているユリヤが等身大で、まさに現代の映画といえる。自由度が高くなって選択肢もたくさんあるがゆえに起こる自己実現の葛藤、心の中で首を大きく縦に振りながら見た。
ユリヤの行動は突拍子も無いように見えるが、あくまで選択と結果の人生であり、必ずしもその選択が失敗では無いというメッセージを感じ、ありがたく思った。小説の様に展開していく演出はユニークで面白く、役者陣たちがそれはもう素晴らしい。歴史に残る名作と言える。
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