Hytti nro 6 2021年作品
8/10
ユホ・クオスマネン監督脚本
セイディ・ハーラ ユーリー・ボリソフ
カンヌ国際映画祭2021年グランプリ(審査員特別グランプリ・審査員特別賞)作品
モスクワで女性の教授のところに間借りし、恋人関係になっているフィンランド人女性。
恋人と一緒に電車に乗ってヒエログリフを観に小旅行するはずが、教授は同行せず一人旅に
客室でロシア人男性一緒になる。男性は酒に酔って失礼なことを言ったりと、粗野で、
全くそりが会わなかったが...。
昨年のカンヌ国際映画祭で本当に観る価値があった作品はこれだけかも知れない。
冒頭、Rocxy Music のLove is The Drugで始まる。「エンジェル ウォーズ」のラストでも
使われていたが名曲。
時代背景は1997年以降(映画「タイタニック」公開後)になるようで、電話は公衆電話で
メディアもテープ。2006年にサンクト・ペテルブルグからモスクワまで寝台列車を
利用したことがあるが、本作の約10年後にあっても列車はあんな感じで、全体に
ボロボロだった記憶があり、懐かしかった。
主人公はアカデミックなフィンランド人女生徒、炭鉱で働くロシア人。
全く異なる背景、民族(ロシア人が過去に学ばないと今を理解できない云々という
皮肉な台詞も)
同士が携帯 やSNSなどのノイズがない状態で、ダイレクトにぶつかり合うのは
当たり前のことだったのに今ではとても新鮮で羨ましく思えた。
主演の二人も、全く美形でないのだけれど、それだけに親近感がわき、
観ているうちに彼らの距離の縮まりを応援したくなる。
恋愛映画の傑作。