このレビューはネタバレを含みます
文句なしの星5つ✋
リョーハに惚れてしまう
不器用で真っ直ぐで優しい。
続けて2回目観てしまう程好きな作品でした。
ラウラはイリーナと恋人関係であるが、どことなく距離を感じており、違う世界にいるような愛に満たされていない様子。
一緒に見に行くはずだった
ペトログリフ。
彼女の都合が悪くなり一人で行く事に。
同乗者リョーハとの出逢い。
すぐに酒を飲み出すしテーブルの上にはトイレットペーパー。
第一印象がはっきり言って最悪。
こんな奴と到着まで一緒なのか…はぁ。
とラウラの憂鬱さが溢れ出る。
出逢いは最悪のようか気もしたが、
リョーハはきっと昔から人の目を気にしながら生きてきたのだろう。
ラウラがパスポートをさがす姿をとても心配そうに見ていた。
ラウラがイリーナへの想いをビデオレターに込めている瞬間も恐らく聞こえていたのか、入室する前に咳払いをしていた。彼なりの気遣いだと感じた。
そのあとからリョーハの彼女への優しさがヒートアップ。
元々根っから優しい人なんだろうな。
一晩列車が停車するタイミングでとある人に会ってみないか?と誘ってみるリョーハ。
ラウラが「母親?」と聞くと「もっといい」と答える姿が切なくもある。
リョーハの生い立ちがなんとなく感じられるシーンだった。
乗り気ではなかったラウラは
公衆電話でリョーハに助けられ結局知人に会うことに。
でもそれは、彼女にとって素晴らしい出逢いだったと思う。
出逢った御年配の女性はとても気さくで、温かかった。
初めて会った人に「あなたに乾杯」なんて言われたらどれだけ幸せだろうか。
女性はとても賢い
自分の心だけを信じて生きる事
ものすごくパワーの漲る言葉だったと思う。
ラウラが特に何にも惹かれないギター男にビデオカメラを盗まれ、酷くショックを受けているのを見て、
リョーハは「みんな死ねばいい」と一言。
この言葉にラウラがどれだけ救われたか。
乱暴な言葉ではあるが、ラウラを笑顔にした魔法の言葉だったと思う。
ラウラに描いてもらったリョーハの似顔絵は
寝顔だった。描いているシーンもなかったので、ここのシーンは一番刺さった。
その絵は美しく、愛する人に感謝を込めて描いているようだった。
それを目にしたリョーハのなんとも言えない感動している姿に涙…涙でした。
そのあとのハグからのキスシーンが
最高過ぎました。
リョーハの慣れないキスにキュン
お互い孤独で、特にリョーハは今まで辛い思いをたくさんしてきたのか、人との繋がりを避けてきたのか、背景はよくわからないけど
ハグされた時の溢れる涙が切なかった。
ようやく目的地に着いたラウラは
ずっと見たかったペトログリフを見て
何を思ったのだろうか、、
やっぱりイリーナとは価値観が違うのかもとか、
一緒に見に来れたら良かったとか考えていたのかな。
なんだかんだ帰りの雪遊びが一番楽しそうだった。
道中「ペトログリフ」が思い出せなくて
何度も聞き返すリョーハだったが、
彼女がウソで教えた「愛してる」は
お酒が入っていた状態でもしっかり覚えていたのだなと思うと、グッときてしまうラストでした。。
はぁ、、すごく良かった。
あのまま結ばれて欲しいけど
きっともう会うことはないのかな
幸せな余韻が残る大変満足な作品でした。