ロシアの森林消防隊の隊長アレクシーの消火チームは、任務で隊員の1人を失ってしまう。隊員不足で出動できないアレクシーは自分の娘の恋人の新人消防士ロマンをチームに入れて出動するのだが、現場の森林火災は予想を超える大火災になり、近くの村にまで火の手が及んでしまう。
ロシアの森林消防隊の活躍を描いたアクション作品となっており、燃え盛る森林火災の凄まじさと火災に巻き込まれて窮地に陥る人々の姿が観ていて恐怖を感じさせるものになっています。
ストーリーとして、前半はアレクシー率いる消火チームの面々の紹介と新人消防士のロマンの加入、火災現場近隣の村の風景を描いており、テンポが悪く、かなり冗長に感じました。後半は火災に巻き込まれた村人たちを救出する姿を描いており、テンポが上がり緊迫感に溢れた流れで観やすくなりました。
主人公のアレクシーを始め、消火チームのメンバーに緊張感が無く、やたらと緩い感じで現実味が無く、ロシアの森林消防隊のイメージがかなり悪くなりました。フィクションとはいえ、人の命を預かる仕事に従事する人々にある厳しさが無いので、作品全体がかなりチープに感じてしまいました。
そして、火災が村に近づいてきて、消火チームが村の人々に避難を指示するのですが、村人たちがかなりアホでひたすら消火チームに食ってかかるので、かなり不快に感じました。
後半の火災に巻き込まれるシーンがチームと村人たちは炎の中で避難するのですが、どう見ても火災が必要以上に苛烈で、普通死ぬだろうと思うレベルだったので、炎の中でドラマを続ける姿にリアリティを感じることができませんでした。
また、消防隊の飛行機でスカイダイビングしようとしたり、垂直上昇できないヘリコプターを使用したりと、あまりにも森林火災の厳しさと相反するシーンの連続に辟易しました。
ストーリーを盛り上げるためか、本来あるべき森林火災の過酷さを単なる作品を盛り上げる小道具レベルに引き下げていて、とてもじゃないがこれにリアリティを感じることができず、しらけてしまいました。
私はこの作品に面白みを感じることができませんでした。
鑑賞日：2023年4月3日
鑑賞方法：CS ムービープラス
