2019年のアメリカ合衆国のTV映画、ダニー・ブデイ監督、ボー・ジョンソン脚本によるスリラー。
人気美容室を起業経営するシングルマザーのジェシカさんは現在、18歳になる愛娘テサさんと二人暮らし。心優しい恋人で医師のクリスチャンさん、ドジっ子ながらも美容室経営に尽力してくれる親友ナンシーさん、テサの恋人で聡明な好青年ウィル君、素敵な方々に囲まれ幸せな日々を送っているご様子。
しかしながら、ご自宅にウィル君を迎えて映画鑑賞をした夜、あろうことか、彼は玄関を出た直後に「心臓発作」によりご昇天、にわかに暗雲立ち込めるジェシカさん界隈。
心を閉ざした傷心の一人娘テサはインターネットで知り合ったエリック何某と親しくなるも、何やねんこいつ、アタシと同じ歳やんけと不快感、危機感を禁じ得ず、娘との訣別を要求するジェシカさん……、さてさてどうなるこの母娘、といったお話。
安定のTV映画クオリティでございます。作品としての完成度やら芸術性やら意外性やら、あれこれを気にすることなく素朴に鑑賞すれば、つかの間の90分、存外に楽しませていただけるかと思います。
TV映画のもう一つの魅力は普段、劇場公開の映画ではあまりお見かけすることにない方々と出会えることかと。主人公ジェシカを演じるクレア・クレイマーさん、キーパーソン、愛娘テサ役のミア・トパリアンさん、お美しい女優さん方のご共演。
まったく単調、というわけでもなく、冒頭の場面はミスリーディングで面白く感じました。
それからエンディング、ネタバレを避けるため、曖昧に書かせていただきますが、劇場での公開を前提とした作品では、あのようなあっさりとした終わり方はしないでしょう。無駄に引きずらず綺麗さっぱり、あっさりと結末を迎える本作は潔し、と言ってよろしいかと思います。