ぶみ

崖上のスパイのぶみのレビュー・感想・評価

崖上のスパイ(2021年製作の映画)
2.0
ソ連で特殊訓練を受けた工作員が、命を賭けて挑む極秘任務とは。

チャン・イーモウ監督、チャン・イー、ユー・ホーウェイ、チン・ハイルー、リウ・ハオツン、チュー・ヤーウェン等の共演による中国製作のサスペンス。
1934年、満州国のハルビンで、極秘作戦「ウートラ計画」を実行するため、潜入した中国共産党スパイ・チーム等の姿を描く。
四人のチームメンバーを、イー、ハイルー、ハオツン、ヤーウェン、チームを監視する特務警察のエースをホーウェイが演じているが、チームの若手メンバーを演じたハオツンのあどけなさが残る顔立ちである反面、キレの良いアクションを見せてくれるギャップは見どころの一つ。
物語は、スパイものらしく、誰が味方で誰が敵なのか、入り混じった展開なのだが、いかんせん、皆同じような雰囲気で、黒色の出で立ちであることと、多くの人物が登場することにより、冒頭からしっかり観ていたつもりなのだが、誰が誰だかさっぱりわからない。
加えて、ほぼ予備知識なしの状態であったのと同時に、作品中で時代背景や、登場人物の設定の説明が希薄であったことから、一体何を目的に、どうしようとしているのか理解できず、その癖テンポ良く進んで行ってしまうことから、正直なところ全くもって意味不明。
終盤には、多分色々とヒリヒリするような駆け引きや、どんでん返し的な展開もあったのだろうが、それもわからず、カタルシスも何もあったものではない。
反面、前述のようなアクションや、当時のクルマによるカーチェイスは楽しめたし、白銀の世界を舞台とした時代の再現性のクオリティは中々のもの。
残念ながら、私の理解が及ばなかったせいで、面白さの欠片すら感じ取ることができなかったため、この点数となっているものの、今から観ようとする方は、公式サイトの人物相関図や時代背景を予習しておくことをお勧めしたい一作。

万国の労働者よ、団結せよ。
ぶみ

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