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かもめ食堂の3Dメガネのレビュー・感想・評価

かもめ食堂(2005年製作の映画)
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※ネタバレあり
※以下主張は全て個人の考えに過ぎません
『かもめ食堂』
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【テーマ】
[いらっしゃい]
フィンランド ヘルシンキにある
日本食の食堂。かもめ食堂。
異国の地でひっそりと営むこの食堂には
様々な人が出入りする。
今作は雰囲気がとても優しく心地良い。
それはなぜだろう?と考えてみると
他人を否定しない、首を突っ込みすぎない
この2つが根底にあると思った。
登場人物間ではもちろん、鑑賞している
我々にも語らない事実が存在する。
なぜフィンランドに来ることになったのか
日本から飛びたくなったのはなぜか。
でも語らなくても良いのだ。
辛い事があった時、その辛さに値する理由が必要だろうか?
正当な理由が無ければ、何処かへ行ってはいけないのか?
もっともらしい理由なんてなくても
悲しんで良いし、苦しんで良いし
逃げたって良いのだ。
そんな考え方が流れてるから
この作品は優しいし、心地良い。
遠くへ行ってみたかった。
それだけで良いのだ。
ご飯を食べるのに理由はいらない。
お腹が空いた、それだけで良いのだ。
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【鑑賞ポイント】
[後先]
後先考えて不安になったり、やるべきか悩んだりすることはある。
真面目に考えていると、少し苦しくなる時がある。
良くなろうとしているはずなのに、
どこか息苦しく感じることがある。
今作にはそれがない。
上手くいくか悩むより、やりたいようにやる。
フィンランドでの食堂も、
急遽滞在してお手伝いをするのも
現地の人に猫を預けられて育てるのも
正当な理由や後先を考えたら難しいだろう。
日本人は、少し忙しい。
かもめ食堂はゆったりして、心地良い。
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【まとめ】
寛容と自由に溢れたとても優しい作品でした。
そして大好きな作品になりました。
いちいち理由を探さなくて良いんですよね
いつからか行動に正当性を求めてしまってました。
(もちろんそれ自体は大事なことです)
全ての場面において、そうである必要もない。
焦燥感とは対極にある、穏やかな優しさ。
ラストのいらっしゃいが目に焼きつきます
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