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ヴィム・ヴェンダースプロデュース/ブルーノート・ストーリーのsacinemaのレビュー・感想・評価

5.0
ダイバーシティの原点のような人類愛、音楽愛に溢れるドキュメンタリー映画でした。

ナチスドイツから逃れ、渡米した2人の白人移民が、アフリカンアメリカンと共に立ち上げた『Blue Note』レーベルの秘話。
とにかく映像表現が素敵でアーティスティック、JAZZファンだけでなく、多くの表現者に見てほしいと思う作品。

肌の色が違う、人種が違うというだけで同じ場所で生きることを阻まれ、命さえ簡単に奪われた時代。さらにブルーノートは、ドイツから、白人から、それぞれに迫害されるという背景の中で生まれたレーベルなのかと知り、改めてドイツやソ連がポーランド侵攻していた時代に演奏されてきたものなんだなぁ…と。

『メイキング・オブ・モータウン』のブラックミュージックとは、また違った視点で心を打たれました。

映像が残っていない時代をインタビューと音源、貴重な写真から構成。
きっと多くの人がそれと知らずとも聞いたことがある、ビートたけしさんのCDで有名になった、あの伝説的ライブ音源もなるほど再現。

そうだったのか!ここ、こんなふうに表現するんだ!え、この人元妻!?ここで繋がってるんだ!ええ〜っ、とにかくなんてかっこいいんだ!…と。

ソニーロリンズに、ハービーハンコック、ロンカーターにクインシージョーンズとか、猛烈にジイちゃん達が元気でカッケー!!

無論、歴史は描く人の視点によりますが、今作は『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クルッ』のドイツ人監督さんプロデュース。
グルーヴィーに感情が蠢くこと間違いなし。
頭の中にカンタロープ島がずっと回っています。

人種や民族でなく、人格によって繋がれる時代を望みます🙏
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