ヴィム・ヴェンダースプロデュース/ブルーノート・ストーリーの作品情報・感想・評価

「ヴィム・ヴェンダースプロデュース/ブルーノート・ストーリー」に投稿された感想・評価

[ブルーノートの歴史]

ブルーノートレーベルの歴史がよく分かる作品です。

ジャズにあまり詳しくなくても、大体の人が名前ぐらいは知っているであろう、このレーベルですが、その成り立ちに意外な部分があり、驚かされます。

それは、レーベルの創始者が純粋なアメリカ人ではないということです。

何となく、ジャズイコールアメリカ、みたいなイメージがあったので、とても意外に思いました。

有名な奏者も沢山登場するので、見ているだけでも楽しいですし、映画そのものが、ブルーノートの導入のように作られているのも、初心者にも優しくてありがたかったです。

このような作品を観ると、どうしてもジャズが聴きたくなってしまいますね。
AxTxS

AxTxSの感想・評価

3.3
ブルーノート・レコードを立ち上げたアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフという2人のドイツ生まれのユダヤ人に焦点を当てたドキュメンタリー。ヴィム・ヴェンダースプロデュースではあるものの、監督・脚本は別人で、彼の映画に特有のテイストはあまり感じない。
スタイリッシュなオープニング、知らない音楽好きはいない名曲の数々、そして偉大なジャズメンの貴重な映画や証言はどれも素晴らしく、とくに母国で迫害を受けた2人が公民権運動すらなかった時代のアメリカで人種的偏見をもたずに音楽愛によって黒人のアーティストたちと繋がっていく様子は胸を打つものがある。
ただ、全体にわたって出てくるCGアニメパートの不出来さが目立ち、個人的には映画に没入しきれなかったのが残念なところ。
おひな

おひなの感想・評価

3.6
ブルーノートレコードは社会の影響を受けながら、ジャズという文化に本気で向き合っていた会社であった。人種を超えた人と人の繋がりがジャズによって生まれていた。「売ることが目的ではなく、音楽にとって重要な意味をなすアーティストを選んでいる」という言葉から、音楽への熱量を感じた。一つのことに没頭するのも悪くないな。
maya

mayaの感想・評価

4.0
ゆっくり腰据えてもう一回見たい。
ジャズに詳しくなくても、出てくる曲全部知ってる名曲のオンパレード。ウイスキー飲みながら観たくなった。

また創業者がユダヤ人の方というのも知らなかったし、この時代にどれだけ大変な思いで渡米し(そんなことが可能というのも驚きだったけど)レーベルを立ち上げたことのすごさに感服した。

存在していない映像を、実写ではなくアニメーションで表現したっていうところも良かったな。

なんてドラマチックかつアグレッシブな二人が揃ったものよという感じ。
映画にしてくれたことで知れたこと、数えきれないけどまた良い作品に出会えた。
sacinema

sacinemaの感想・評価

5.0
ダイバーシティの原点のような人類愛、音楽愛に溢れるドキュメンタリー映画でした。

ナチスドイツから逃れ、渡米した2人の白人移民が、アフリカンアメリカンと共に立ち上げた『Blue Note』レーベルの秘話。
とにかく映像表現が素敵でアーティスティック、JAZZファンだけでなく、多くの表現者に見てほしいと思う作品。

肌の色が違う、人種が違うというだけで同じ場所で生きることを阻まれ、命さえ簡単に奪われた時代。さらにブルーノートは、ドイツから、白人から、それぞれに迫害されるという背景の中で生まれたレーベルなのかと知り、改めてドイツやソ連がポーランド侵攻していた時代に演奏されてきたものなんだなぁ…と。

『メイキング・オブ・モータウン』のブラックミュージックとは、また違った視点で心を打たれました。

映像が残っていない時代をインタビューと音源、貴重な写真から構成。
きっと多くの人がそれと知らずとも聞いたことがある、ビートたけしさんのCDで有名になった、あの伝説的ライブ音源もなるほど再現。

そうだったのか!ここ、こんなふうに表現するんだ!え、この人元妻!?ここで繋がってるんだ!ええ〜っ、とにかくなんてかっこいいんだ!…と。

ソニーロリンズに、ハービーハンコック、ロンカーターにクインシージョーンズとか、猛烈にジイちゃん達が元気でカッケー!!

無論、歴史は描く人の視点によりますが、今作は『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クルッ』のドイツ人監督さんプロデュース。
グルーヴィーに感情が蠢くこと間違いなし。
頭の中にカンタロープ島がずっと回っています。

人種や民族でなく、人格によって繋がれる時代を望みます🙏
断片的には知っていたブルーノート(BN)・レコードの歴史を時系列的に知ることが出来ました。売ることでなく、自分の気に入ったジャズを記録することから始めた創業者であるアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフは、その後録音技師のルディ・ヴァン・ゲルダ―、デザイナーのリード・マイルスを加えてBNレコードを完成してさせていく様が手に取るように分かります。創業者の二人がドイツ人というところも面白い。BNはミュージシャンの取っても特別の世界であったし、残されたレコードは今なお我々を虜にしている。2018年の「ブルーノート・レコード ジャズを超えて」も良かったが、此方はブルーノートが遺した功績を中心に構成されてます。やっぱり、ブルーノートはアナログで聞きたい。コレクション定番の1500番台(98枚)はすべてレコードで残り2枚までのところまでこぎ着けられました。
アニメのシーンびみょ
ヴェンダース要素はあまり感じないけど楽しめた。
ブルーノート関連のこういう映画ちょいちょいあるけど、決定版お願いします。
ワンコ

ワンコの感想・評価

4.3
【What A Wonderful World!/希望を捨てない】

It must schwing.
そっか、シュウイングか!😁

どんな差別や困難にあっても、それだけにフォーカスせず、出来るだけユーモアをまじえて笑いも忘れない。

そこには、壮絶な民族や人種への差別、そして、人生の苦難を乗り切るコツみたいなものがあるような気がする。

この作品は、第二次世界大戦前、ユダヤ人差別が先鋭化するドイツを離れ、アメリカにやって来たアルフレッドとフランシスが、同様に過酷な差別にあっていたアフリカ系アメリカ人(黒人)の音楽に魅せられ、その音楽を広め、発展させ、確固たるものにしていく物語だ。

ジャズは、おそらく知識とか教養などではなく、ホモ・サピエンスとして身体に刻まみこまれたビートやリズムを表現した音楽なのではないか。

だから、世界中にジャズクラブがあり、世界で多くの人々に愛されているのではないのか。

ただ、独り言だと思って読んでいただけたら幸いなのだが、昨年、2021年11月にNHKスペシャルで放送された「この素晴らしき世界 分断と闘ったジャズの聖地」をNHKオンデマンドで視聴できるので、良ければ、現代につながるストーリーとしてご覧いただけたらもっと感動できると思う。

この映画の中でもインタビューに応じるロレインは、アルフレッドと離婚後、グリニッジ・ヴィレッジにある最古のジャズ・クラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」のオーナー、マックス・ゴードンと結婚。
マックスの他界後は、彼女が経営を引き継ぎ、現在は、娘のデボラ・ゴードンがオーナーとなっている。
映画でも触れられるように、ロレインは、アルフレッドとの間に子どもをもうけることは出来なかったが、マックスとの間に生まれたデボラがジャズのスピリットを受け継ぎ、コロナ禍での18ヶ月及ぶ休業を経て、2021年9月14日、ヴィレッジ・ヴァンガードのリオープンに漕ぎ着けたのだ。3代続いた希望を守り通す…、デボラの言葉だ。

これにまつわる話が「この素晴らしき世界 分断と闘ったジャズの聖地」だ。

僕は、NHKスペシャルをかなり観てる方だと自覚しているが、この放送は、その中でも、目頭がとても熱くなる回だった。

このNHKスペシャルのもう一つのコアの物語は、コロナ禍の下で、黒人によるヘイトクライムの暴力を受け、肩や鎖骨を骨折して、再起が危ぶまれた日本人ピアニスト海野さんと、子供が盗みの疑いをかけられた黒人グラミー賞トランペッター・ハロルドが、再び活動を開始し、新たな音楽の取り組みを本格化させるまでも描かれている。

海野さんは、自分に暴力行為を働いたのが黒人だったことを知りつつも、それを人種のせいとはせず、差別や暴力と向き合い自問自答する。

怪我がなければというより、これを体験したからこその新たな曲作りも可能なのではないのかという前向きな姿勢だ。自分の曲に初めて付けた歌詞のメインは、「人生は、曲がり、揺れるけれども、壊れることはない」だった。

ヴィレッジ・ヴァンガードのリオープンの日、デボラと海野さんが再開する。

“怪我の話しは聞いて知っていたよ。また、いつか、ここで演奏してよ!”

胸が熱くなる場面だ。

アルフレッドとフランシスのスピリットも、こうして繋がってるのだと思わせる瞬間だ。

「What A Wonderful World!」は、黒人差別が吹き荒れていた頃に作られた歌だ。

希望の歌だ。

世界のあちこちに、ライブスポットが点在するジャズは、そんな音楽だ。
「もっと"シュ"イングして!!」
ブルーノートレーベルの創業者アルフレッド・ライオン、フランシス・ウルフを中心に、その創成期とモダンジャズの黄金時代を振り返るドキュメンタリー。
未だなお健在どころか、ロバート・グラスパーやノラ・ジョーンズを擁し、トップレーベルに君臨している現代までを俯瞰するには2018年「ブルーノートレコード/ジャズを越えて」の方が詳しいが、こちらは創業者コンビの為人や背景により迫った構成。
豊かな才能に関わらず不当に虐げられた黒人ミュージシャン達とナチスドイツの追及を逃れてアメリカに亡命したユダヤ系としてのアイデンティティとシンパシーがひとつの奇跡をうむ。
もしかしたら、ブルーノートというレーベルが無ければ、ジャズという音楽の今日のここまでの世界的な根強い人気は無かったかもしれない。
"壮大な自由主義の実験場"アメリカへの憧憬。プロデューサーのヴィム・ヴェンダースにもシンクロするものも感じる。
ひと昔まえのTVゲームのデモムービーの様な再現CGが少し雰囲気にそぐわず脱力するものの、往年のジャズレジェンド達が懐かしい友人の思い出を忌憚なく語る姿に嬉しくなる。
ともや

ともやの感想・評価

4.0
傑作が作られる環境が作られた過程のお話
思いきりシュウィングするには、シュウィングするための確固たるフロアが要る

ロックンロールの「ロック」はあっても「ロール」を感じないバンドが多いのも、それに似た問題の気がする
暴れるのはどこででもできるけど、転がるには床が要る、地面が要る
それを忘れとるレーベルとバンドはロールできない

ブルーノートはレーベルとジャズマンが同じ痛みを共有してたから一緒にシュウィングできる土台があった
そら傑作ができますわ
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