このレビューはネタバレを含みます
35分という短い時間に、綺麗に全てを詰め込まれてた作品。
ラストの僕なりの考察です。
結論から言うと、斉藤家娘の「もうママ達いらない」というアイコンタクトに、健太郎さんが「ようやく復讐を果たしてもいいのか」と応えた笑みというラストだったのではと思いました。
斎藤家娘は轢き逃げの時点でもハンカチを渡して心配したり、死んでしまった娘にも重なっている描写もあります。健太郎さんにとって斎藤家の中で娘は唯一救っても良い存在だったのだと思います。
斎藤家娘が家族の絵を見てもくれなかったシーン。その後の家族の絵が破かれるシーン。犯人はおそらく娘。叱られるシーンで兄は健太郎さんの仕業だと思いそちらを見ますが、娘は目もくれていません。それは自分が犯人だから。このシーンで、斎藤家娘の心が少しずつ家族から離れていることの伏線になっていたのではないかと思います。
描かれていない所で、娘と健太郎さんは
健太郎さん「ママ達がいなくなったら悲しい?」
娘「悲しい。」
健太郎さん「そう」
などのやり取りがあったのかなと。
そして、娘が絵を破っていたのを見て、復讐の機会がそう遠くはないことを悟り、お墓参り(もしくは事故現場への献花)に行きけじめをつけてきたのではと。
そして、ラストにつながるといった形です。
あの斎藤さんのあまりにも重く気持ちが悪い笑みと、娘の意味深なアイコンタクトにはそういう陰鬱な意味が込められているような気がしてしまうのです。
また、健太郎さんのロゴも笑っているかのようなデザインになっており、あの笑みがどれほど重要な意味を持っているかを示しているのだと思います。
そして、いろんな人が言われている考察のように冒頭のシーンに繋がり、そこから殺害という流れ。斎藤家娘を庇うための優しい汚い食べ方にしては、健太郎さんの目が狂い過ぎてる気がしますし。
などなど、自分なりには考察しました。
得体の知れない健太郎さんの不気味さ
↓
健太郎さんは斎藤家の妄想だった?
(でも隣人は見えていたような?)
↓
健太郎さんは、一緒に暮らすことで罪の意識を絶させず苦しめ続けるという復讐を選んだんだ、、、
↓
いや、直接復讐するつもりでずっと待ってたのか、、、
という何度もミスリードを誘う展開。
観終わった後の満足感たるや。最高です!!