浅野公喜

鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽の浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.4
終戦直後の没落貴族を描いた太宰治「斜陽」をベースにしたマユ・ミヤモトとマサノブ・アンドウ主演作品。原作は一応既読。

全体的にやや演劇寄りの演技だからか、昼メロドラマ的雰囲気も漂っておりイメージよりも安っぽい雰囲気も否めず(エンディングの太宰の解説も蛇足?)、原作で割と大きく取り上げられていたスープを飲む様や何度も送る手紙等が削られていたり小さく扱われ主人公かず子の心情が把握しにくい部分も有りました。しかしながら戦後の復興と共に強く立ち上がる逞しい女性像は原作以上に描かれている印象で、死と生を並列させる終盤、ソウ・オクノ演じるかず子の弟直治の虚勢を張った様も良かった点と言えるかもしれません。

さり気無く豪華キャストで、個人的にロイド眼鏡のショウタ・シュンプウテイが印象的でした。
浅野公喜

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